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「社員力を革新する情報基盤に」、マイクロソフトがOffice systemの戦略を説明


インフォメーションワーカービジネス本部 本部長 業務執行役員の横井伸好氏

6つの機能を1つで実現できるSharePoint Server 2007を中核製品として、個々のソリューションを提供していく考えだ
 マイクロソフト株式会社は9月5日、Office systemに関する記者説明会を開催。同社 インフォメーションワーカービジネス本部 本部長 業務執行役員の横井伸好氏が、同分野の戦略に関する解説を行った。

 マイクロソフトの“Office”といえば、WordやExcelといったデスクトップアプリケーションをまず思い浮かべる人が多い。横井氏は、「Office 2007では、UIの変更やアウトプットの質を高めることなど、その分野の拡張も力を入れていた」とするが、「一方ではソリューション分野にも注力している。コミュニケーション、コラボレーションなども守備範囲の1つとして製品展開をしてきた。これがOffice systemの大きな特徴だ」とも述べる。

 そのOffice systemの展開の背景には、最初の製品リリース以来変わらない、「生産性」を重視する姿勢がある。政府機関による平成19年度年次経済財政報告でも、「CIOが存在する企業ほど労働生産性が高い傾向にある」とされているように、CIOのもとで全体最適化を果たしていければ、それが企業の全体の生産性を引き上げることにもつながってくる。Office systemでは、生産性向上を目指すこうしたCIOに対して、統一したアーキテクチャを提供できるというのである。

 具体的には、Windows ServerなどのITインフラの上で、ユニファイドコミュニケーション、コラボレーション、エンタープライズサーチ、ビジネスインテリジェンス(BI)、エンタープライズコンテンツ管理(ECM)、といった各ソリューションを提供。「社員力を革新する情報基盤として売り込んでいく」(横井氏)とした。

 実際の各ソリューションはさまざまな製品の連携によって提供されるが、その中でもっとも重視されているのは、コラボレーション、ポータル、検索、ECM、BI、ビジネスプロセスという6つの機能を1つの製品で実現できる、SharePoint Server 2007だという。「6つの機能を1つで実現している製品は類を見ない。まさに製品面で、さまざまなお客様の課題にマッチできる機能がそろってきた」と話した横井氏は、ここにきて同製品が受け入れられている理由について、ワークスタイルの変化に伴うユーザー側のニーズと、バージョンアップによる機能セットの強化が合致してきたからと説明した。


SharePoint Server 2007では、パートナーにとってもビジネスの広がりが期待できる
 またSharePoint Server 2007は、パートナーにとっても魅力的だという。サーバーやストレージのハードウェア導入拡大に寄与するため、ハードウェアベンダやリセラーのビジネスが広がるほか、機能がわかりやすいため、インテグレータは比較的容易に導入を行うことができる。さらに、Webパーツ拡張など、同製品をベースプラットフォームとする拡張製品もリリース可能であるし、教育、システム運用といったサービスビジネスも期待できる。マイクロソフトでは、このようなパートナーとのエコシステムをきちんと作り上げ、相互にプラスの効果をもたらすことで、製品をさらに飛躍させていきたい意向だ。

 なおSharePoint Server関連事業の売り上げは、ワールドワイド全体で8億ドル(2007年度)の規模に達した。横井氏は、「これだけ短期間でここまで大きくなった製品は当社でも過去に例がないほど」と、好調ぶりに言及。「従来、Office system導入のトリガーとなっていたのはデスクトップアプリケーションだったが、最近ではSharePoint Server 2007が欲しいのでExchange ServerやOffice 2007を導入するという逆の例も出てきた。特に、ソリューションがらみの商談では大きなシフトが見られる」と状況を説明している。

 マーケティング面では、顧客向けによりわかりやすいメッセージを発信するため、各ビジネス業務におけるソリューションシナリオを作り上げ、それを展開していく考え。そのために、これまでの「people ready business」に加えて、「Solutions」というマーケティングメッセージを策定し、東名阪をはじめ、各地域でセミナーやハンズオンなどを実施していく。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/

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  ・ Office 2007の中心的なプラットフォーム「SharePoint Server 2007」(2006/05/30)


( 石井 一志 )
2007/09/05 16:50

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