日本電気株式会社(以下、NEC)は9月6日、主要なRFIDタグのすべてに対応する「RFIDマルチリーダライタ」を開発したと発表した。さらに、このリーダーライタの小型化・低価格化を実現するため、2008年度中の専用LSI製品化も計画している。
RFIDリーダーライタとは、タグ情報の読み取りと書き込みの両方ができる装置のことで、今回NECが開発したものは、主要3周波数(13.56MHz・UHF帯・2.45GHz)と全世界の主要プロトコルに対応するのが特長。対応タグとしては、13.56MHzでは「I・CODE SLI(ISO/IEC15693)」「Tag-it HF-I(ISO/IEC15693)」、UHF帯では「EPC global Class1 Gen2(ISO/IEC18000-6 TypeC)」「μ-Chip Hibiki(ISO/IEC18000-6 TypeC対応およびセキュアRFIDプロトコル)」、2.45GHzでは「ミューチップ」「容器タグ」をサポート。以上6種類のRFIDタグに対応するマルチリーダーライタの開発は世界初とのこと。
主要なRFIDタグすべてに対応するため、各商品などに装着された異種のタグ情報を同リーダーライタ1台で読み書きが可能。新しいRFIDタグが流通した場合も、ネットワークを介してソフトウェアを追加搭載することで簡単に対応させることができるという。これにより市場の課題を解決し、今後さらなるRFIDタグ普及が見込まれる。
NECでは、リーダーライタの小型化・低価格化を実現するため、引き続き専用LSIの開発を進め、店舗や施設などの据え置き型端末に限らず、PC・携帯電話・ゲーム機など一般消費者が保有する端末への実装も目指していく意向。これが実現すれば、例えばさまざまなRFIDタグを通して、企業から商品・サービス情報の入手や問い合わせなどが容易となり、企業と消費者を結びつけるCRM領域へのRFID拡大などが期待されるとしている。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0709/0601.html
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