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マカフィー、年率15~20%成長を目指す新戦略を発表

経営・事業体制を強化、包括的な情報漏えい対策ソリューションも投入

マカフィーの加藤孝博代表取締役社長
 マカフィー株式会社は9月11日、同社の新しいビジネス戦略を発表し、年率15~20%の高い成長を維持する目標を掲げるとともに、成長を支える新たな事業体制および施策などを明らかにした。あわせて、成長戦略を推進する新製品として、包括的な情報漏えい対策のクライアント版「McAfee Data Loss Prevention(DLP) Host」を9月28日から販売開始することも発表した。

 マカフィーの加藤孝博代表取締役社長は、現在のネットワーク社会の課題について、「ネットワーク上での商取引が急速に増大するなかで、サイバー犯罪のプロ化、組織化が進むとともに、個人情報関連の詐欺被害も拡大している。こうした状況下においては、既存のインターネット・インフラを抜本的に強化する必要があり、さらに高度なセキュリティインフラを整備しなければ、これらの被害に対応できなくなってきているのが現状だ」と指摘。「こうした背景のなか、深刻な情報漏えい、サイバー犯罪に直面している企業のリスクを軽減することが当社の使命であり、これに向けて新たなビジネス戦略を立ち上げ、今後、自動化された包括的なセキュリティ、管理・運用の効率化、既存のインフラを活用した高いROIの提供を目指していく」と述べた。

 新戦略においては、今までのソリューションよりも、統合的かつ総合的なセキュリティソリューションを提供することで、幅広いセキュリティニーズに対応し、各セグメントで年率15~20%の高成長を維持していく考え。これにあわせて、経営体制も拡充しており、新たに副社長をおいてオペレーションを強化している。また、今後M&Aなどのハイレベルな経営戦略にも注力していくとともに、「日本への経営権、意志決定権の移管を進めることで、さらなるローカル化を図り、スピーディな経営によって成長戦略を支援できる体制を整えていきたい」(加藤社長)としている。


マカフィーの川崎信也取締役副社長
 今年8月に取締役副社長に就任した川崎信也氏は、新たな成長戦略を支える方針として、1)McAfee SRMのコア製品の拡販、普及、2)営業体制の拡充、3)マーケティングの拡充、4)サポート体制の拡充、の4つを掲げた。「この4つの方針は、米本社からの全面的なコミットメント、サポートを受けて実施するもの。具体的な施策としては、McAfee SRMのコア製品であるDLP、IPS、Gatewayの拡販に向けて、営業体制の拡充では、営業・SEを増員するとともに、大企業向けにアプローチするビジネス開発部門を創設した。さらに今後、当社のもつ最高レベルのテクノロジーやスキルを生かしたセキュリティコンサルテーションのビジネスも立ち上げていく予定」(川崎副社長)だという。

 このほか、マーケティングの拡充では、チャネル・マーケティング部を拡充し、予算も大幅に増額。大々的な広告展開を行っており、今後も広告への投資を継続することでブランド力のさらなる向上を目指す。サポート体制の拡充については、問題および障害解決の迅速化、顧客やパートナーの満足度向上、サービスレベルの向上に取り組んでいく予定。

 川崎副社長は、「これらの4つの方針を推進することで、年率15~20%の成長を維持し、最終的にはインテリジェントセキュリティソリューションベンダーとしてナンバー1企業を目指す」と意欲を見せた。


米McAfeeのデイヴィッド・デウォルトCEO兼プレジデント

McAfee DLP Hostの機能
 また、会見に同席した米本社のデイヴィッド・デウォルトCEO兼プレジデントは、ワールドワイドでの好調なビジネス環境を紹介し、「日本市場も劇的に成長を続けており、現在は国別で第3位の市場規模となっている。単年度でも1億ドル以上の売り上げを達成し、非常に成功している市場だ。これは、強力な日本チームのマネジメントの成果だと思っている」と述べた。

 なお、新ビジネス戦略を支える新製品として発表されたMcAfee DLP Hostは、クライアントマシンからの機密データの損失を監視、瞬時に防止し、管理者に完全な可視性と制御を提供する情報漏えい対策ツール。今年7月に発表したゲートウェイ用情報漏えい対策アプライアンス「McAfee DLP Gateway」と相互に補完することで、業界でもっとも包括的な情報漏えい対策ソリューションを実現する。

 新製品の特長としては、アクセスした情報の不正な転用を防止するため、守るべき情報そのものに「タグ」という認識コードを付与する。これによって、情報全体はもちろん、テキストベースでのデータ保護も実現し、エージェントが配備されたPCであれば、職場だけでなく自宅、出張先での機密データの漏えいも監視、防止することが可能となる。また、「圧縮」「別名での保存」など、データが偽装されている場合でも、ネットワーク、アプリケーション、リムーバブルストレージデバイスを介した漏えいを防ぐことができる。

 さらに、各種セキュリティを一元管理する「McAfee ePolicy Orchstrator(ePO)」と連動することで、ほかのセキュリティシステムとあわせて、情報漏えいがもたらす財務損失、ブランド力低下、市場での信用失墜、コンプライアンス不遵守のリスクから企業を守ることができる。

 価格は、パーペチュアル・ライセンス(MCC・スタンダードサポート1年含む)が1万9800円/ノードより。次年度以降は、MCC・スタンダードサポート1年が3000円/ノードより。



URL
  マカフィー株式会社
  http://www.mcafee.com/japan/


( 唐沢 正和 )
2007/09/11 19:24

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