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代表取締役社長の末次朝彦氏
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マーケティング統括本部 ISV&パートナーマーケティング本部長の伊藤敬氏
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日本における戦略。Solaris on SPARC、Solaris on x86、OpenSolarisの3軸でビジネスを展開していく
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サン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン)は9月19日、Solaris 10 OSに関するプレスセミナーを開催。代表取締役社長の末次朝彦氏などが、国内における最新動向や戦略について説明した。
まず末次氏が登壇し、Solaris 10の戦略を語った。「基本戦略は、よりよい価値をより多くの方々へ届けること。そのためにこれまでも、これからも革新的なテクノロジを実装し続けていく。またSolarisはオープンソース化を果たしたとともに、サポートは当社が行うとコミットメントし責任を明確にしたことで、世界中を味方につけたといえる。ここから当社が狙うのは、Solaris on SPARCに加えて、Solaris on x86環境の認知度向上と普及促進を図っていくこと」(末次氏)とした。
同氏によると、「Solarisというと、当社や富士通製のSPARCという印象が強いかもしれないが、実は900を超えるハードウェア互換性リストのうち、SPARCは75種のみ。それ以外はすべてx86/x64サーバー」という。
この件の認知度を高めるため、同社はSIパートナーなどと一緒になって、ビジネス向けのコミュニティ「Solaris Community for Business」設立の準備を進めている。具体的な目的としては、市場においてSolaris on x86の認知を広めるほか、参画するSI各社やISV各社のSolaris on x86ベースでのビジネス早期立ち上げを図る狙い。マーケティング統括本部 ISV&パートナーマーケティング本部長の伊藤敬氏は、この点における新しいトピックとして、インテルのXeonサーバーとSolarisとの協業などを紹介。「既存のSolaris on SPARCと、併せてSolaris on x86の市場も拡大させることで、こうしたSI/ISV各社のビジネスにもメリットを生み出して貢献できるはず」とした。
このコミュニティは日本独自の試みとなる。その理由は、「当社の思惑はもちろんあるが、それよりも実際にSolarisを検証していただいたパートナー各社から、ぜひSolaris on x86でビジネスをやりたいという声を多くいただいた。しかし、日本ではまだその認知度が低いので、それでは、認知拡大を目的としたコミュニティを作ろうという意見で、各社の思惑が一致したため」と末次氏は説明している。
一方、既存のSolaris on SPARCユーザーに対しては、OSの質を向上することで価値を提供する。その原動力となるのが、9月12日に発表した「Solaris 10 8/07」。Solaris 10の4度目のアップデートとなる同バージョンでは、LinuxアプリケーションをSolaris上で稼働させる「Solaris Containers for Linux Applications」やZFSファイルシステムの機能拡張など、サーバー向け・クライアント向けともに多くの機能強化がなされている。「米国防総省でも採用されているこれらSolarisの新しい価値を普及して、まずは既存顧客の移行を進めていく」(末次氏)という。
開発者向けの活動としては、ISVパートナー向けに無償で開発環境を提供する「10 Moves Ahead Program」を推進する。すでに国内からも190社を超える参加実績があり、順調な推移とのことだ。そのほか、参加無料の「Sun Developer Connection」法人会員向けに無償技術サポートを提供したり、ソフトウェア技術者向けに、フォーラムやセミナーを開催したり、総合開発環境を無償で提供したりするなど、数多くの施策を展開。Solaris 10にかける同社の意気込みが感じられる内容となっている。
なお、11月6日から8日には世界中で開催される開発者向けイベントを東京でも、「Sun Tech Days 2007 in Tokyo」として開催する予定。
■ URL
サン・マイクロシステムズ株式会社
http://jp.sun.com/
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( 川島 弘之 )
2007/09/19 17:55
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