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マイクロソフト、セキュリティ啓発活動を強化-よりユーザーを意識した内容に


チーフセキュリティアドバイザーの高橋正和氏
 マイクロソフト株式会社は9月21日、ビジネスユーザー・コンシューマユーザーに対するセキュリティ対策のガイダンス活動を強化すると発表した。あわせて、マルウェア解析センターの「Microsoft Malware Protection Center(以下、MMPC)」の国内での運用を7月より開始したことも発表した。

 同社では、これまでもセキュアなプラットフォームの開発のほか、セキュリティに対する具体的な構築手法、産官学との連携によるセキュリティ対策などの活動を行ってきてはいるものの、「ユーザーから見た場合、特定の人にしかメッセージが届いていなかったり、問題解決に必要なツールを判断することが難しいという声があがっている。また、脅威そのものの国際化とそれに合わせて攻撃が局地化するなどの問題が発生している」(同社チーフセキュリティアドバイザーの高橋正和氏)と、ユーザーに対して適切な活動とはなっていなかったと説明。今回のガイダンス活動の強化により、ユーザーに対する啓発活動を強化する考えを示した。

 具体的なガイダンス活動の強化策として、1)マイクロソフトセキュリティ啓発プログラムツールキットおよびガイド、2)セキュリティ対策の社内教育用ツール、3)マイクロソフトセキュリティアセスメントツール、が提供される。


ユーザーが抱いている不満点 用途や目的に応じた情報を提供 今回発表された取り組みの内容

 マイクロソフトセキュリティ啓発プログラムツールキットおよびガイドでは、企業内でセキュリティ対策を行うためのメール・ハンドブックなどの作成を支援するためのガイダンスやサンプル、テンプレートを提供する。この活動は、TechNetセキュリティWebサイトにおいてすでに開始されている。

 セキュリティ対策の社内教育用ツールでは、企業向けにセキュリティ啓発ポスターやセキュリティ対策冊子を提供する。セキュリティ啓発ポスターは、必要な情報やメッセージを追加するなど、各企業ごとにカスタマイズできる。9月21日よりセキュリティホームWebサイトにおいてダウンロード提供を開始している。

 マイクロソフトセキュリティアセスメントツールでは、従業員1000名未満の企業向けに、自社のITセキュリティ環境を自己評価するためのツールが提供される。ITインフラストラクチャ、アプリケーション、運用、人材など各テーマに関する質問に回答することで、企業のセキュリティ対策レベルを評価することができる。10月後半よりセキュリティホームWebサイトにおいて提供される予定。

 「情報セキュリティは注意喚起する人が変わると反応が異なるというのが、これまでの活動で得た教訓。今回の啓発活動では、企業での活動がしやすくなるように、ガイダンスやツールを用意した」(高橋氏)と、さまざまな角度から、セキュリティに対する啓発活動を行えるようにしたと説明する。


MMPCの活動内容
 7月に開設されたMMPCは、マルウェアの解析およびマルウェア対策技術への反映、レドモンド、ダブリンにあるMMPCと協調したマルウェアの24時間監視、および日本独自のマルウェアの解析とマルウェア対策技術への反映、といった活動が行われる。「日本国内のマルウェアの検出数は、2005年1月の2万件から2007年8月には35万件まで増加している。7月に開設したばかりなので、具体的な成果はまだ出ていないが、増加している日本独自のマルウェアに対応できるのが大きい」(マルウェアプロテクションセンター プリンシパルプログラムマネージャーのダニエル・ウォルフ氏)とした。




URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3201
  マイクロソフトセキュリティホーム
  http://www.microsoft.com/japan/security/


( 福浦 一広 )
2007/09/25 00:00

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