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日本HP、コンサルティング・インテグレーション統括本部 ソリューション戦略本部長のの中村時彦氏
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HP IceWall SSOの概要
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日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)とソフトバンクBB株式会社は9月25日、携帯電話を活用したWeb認証プラットフォーム分野で協業すると発表した。日本HPのシングルサインオン(SSO)ソリューション「HP IceWall SSO」の認証手段として、新たにソフトバンクBBの認証サービス「SyncLock」を追加。Web認証の連携ソリューションとして、提案、販売、構築、サポートを両社共同で提供していく。
HP IceWall SSOは、通常Webアプリケーションが個別に有する「認証」「認可」「管理」「監査」の機能を、Webサーバーの直前に設置したリバースプロキシによって代行するSSOソリューション。Webアプリケーション側でこれらの機能を実現する従来の方法では、Webアプリケーションの数だけ認証を行わなければならない。一方、HP IceWall SSOで一括して認証する方法を用いれば、認証の回数は1回で済むことになる。
HP IceWall SSOはあくまで認証を統合するためのソリューション。ゆえに具体的な認証ソリューションは別のソリューションを組み合わせることで実現する。認証手段としては、典型的なID・パスワードをはじめ、バイオメトリクスやICカードなどさまざまなものが考えられるが、HP IceWall SSOではすでに、日立ソフトの指静脈認証ソフト「静紋」、およびソリトンのICカード認証ソリューション「SmartOn」との連携を実現している。
今回の協業は、この2種に加え、ソフトバンクBBの携帯電話を認証ツールとして利用するSyncLockとの連携を加えることで、「Web認証ソリューションのラインアップを強化することが目的」(日本HP、コンサルティング・インテグレーション統括本部 ソリューション戦略本部長のの中村時彦氏)という。
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SyncLockの概要
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連携ソリューションの概要
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SyncLockは、9月20日にソフトバンクBBから発表されたばかりの新発想の認証ソリューション。認証作業を“PCと携帯電話双方を使って”行うのが特長だ。まず、利用したいWebサイトにPCからアクセスしてサイト認証を行う。するとPCの画面上に「シンクロ番号」と呼ばれる4けたの数字が表示されるので、この数字を、ソフトバンクBBに個体登録した携帯電話から入力。両方の情報を同期させることで、本人確認を行う。
メリットとしてはまず、同時に2回線を利用することで、情報漏えいの危険性を大幅に低減している点が挙げられる。PCにはシンクロ番号が表示されるだけで、入力インターフェイスは一切表示されない。そのため、暗号化技術を使うまでもなく、通信経路上で情報が漏れる心配がない。一方、入力を行う携帯電話から例えば4けたの数字が第三者に漏えいしたとしても、PCで最初に行うサイト認証の情報と携帯電話から送信する情報がシンクロしない限り認証完了とはならないのでまったく問題とならない。
第2のメリットとしては、経済性が挙げられる。認証ツールとして、すでに国民の大半に行き渡っている携帯電話を利用することで、専用ソフトやデバイスを導入する必要がない。さらに携帯電話から4けたの数字を入力するだけというシンプルな仕組みなため、技術の陳腐化がない。そのため何らかのソフトをバージョンアップするといった必要もないことになる。
このSyncLockとHP IceWall SSOを連携させることで、簡便な認証作業をシングルサインオン化して、複数のWebアプリケーションへの容易で安全なアクセスを実現するというわけだ。
両社は、HP IceWall SSOとSyncLockに連携モジュールを追加した「SyncLock+IceWall SSOパッケージ」として製品化し、10月から提供を開始する予定。金融業やWebポータルサービス業、アミューズメントサービス業など数万以上の規模をターゲットに、2008年度に20社への販売をめざすとしている。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
ソフトバンクBB株式会社
http://www.softbankbb.co.jp/
プレスリリース
http://www.softbankbb.co.jp/news/press/2007/p0925_01.html
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( 川島 弘之 )
2007/09/25 17:01
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