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執行役員 オラクルユニバーシティ本部長の保々雅世氏
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今回の強化点
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日本オラクル株式会社は9月26日、同社の技術認定資格「ORACLE MASTER」を拡充し、専門性の高い認定資格「ORACLE MASTER Expert」を新設すると発表した。またあわせて、最新RDBMS「Oracle Database 11g」の資格試験を2008年2月より開始するほか、米Oracleの買収戦略に伴って同社のポートフォリオに追加された各製品についても、資格試験を順次提供するとのこと。
ORACLE MASTERは、資格取得者がのべ16万名を超える、世界でも非常に認知度の高いベンダー資格。これまでは、Oracle Databaseの総合的なエンジニアとしての実力を証明するものとして実施されてきたが、一方でセキュリティやSOA、BIなどさまざまな技術を基盤としたソリューションの需要が高まる中で、より専門的な知識や技術の習得と、その認定制度が求められていたという。
そこで今回日本オラクルでは、特定の分野を深耕する専門性の高い認定資格としてORACLE MASTER Expertを設け、既存のORACLE MASTERでカバーしきれていない領域を補完することにしたという。まずは、グリッド技術を対象にする「Oracle Database 10g:Real Application Clusters(RAC) Administrator Certified Expert」を10月末から、Linux環境でのDBA(データベース管理者)を認定する「Oracle Database 10g Managing Oracle on Linux」を11月末から、それぞれ提供する予定。前者はORACLE MASTER Oracle Database 10g Goldの資格保持者、後者は同 10g Silverの資格保持者が対象となるが、指定された講習を受講することで、資格を保持していなくても受験が可能になる。費用はいずれも1万5750円。
この資格について、執行役員 オラクルユニバーシティ本部長の保々雅世氏は、「ORACLE MASTER Expertは、ORACLE MASTERの上とか下とかではなく、専門資格だ。ORACLE MASTERを置き換えるものではない」と述べ、例えばRACの試験では、DBA全体のスキルアップではなく、“RACのプロ”を目指す技術者を対象にしていくとした。なお今後は、やはりニーズの高いセキュリティ、BI、SOAなどについても順次提供を開始する予定だ。
一方、Oracle Database 11gの試験は、2008年2月より順次開始する。ランクは、現在のものと同じBronzeからPlatinumまでの4段階。現在の最新版であるOracle Database 10gからの移行試験も実施するが、それより古いバージョンからの移行試験については最初の段階では用意されず、今後提供を検討していくとのこと。日本オラクルでは2008年度に、新設資格を含むORACLE MASTER全体で、対前年比17%増の1万7000人の資格取得を見込む。
買収製品の資格試験についても、提供を拡大する。日本オラクルと、買収製品の国内展開を担当していた日本オラクルインフォメーションシステムズとの協業拡大に伴い、今年7月から、日本オラクルで販売する全製品の研修窓口が一本化されており、新体制のもと、まずはSiebel製品から資格試験をスタートさせる。Siebel 7.7の認定コンサルタントが10月末から、Siebel 8の認定コンサルタントが2008年2月からの提供開始となり、今後はPeopleSoft、JD Edwardsについても順次提供を予定。Oracle EBSを含めたアプリケーション製品全般において、対前年比48%増の850人の資格取得を目指す。
■ URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
( 石井 一志 )
2007/09/26 18:08
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