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富士通、財務情報のサプライチェーン実現を支援する製品・取り組みを説明


ソフトウェア事業本部 アプリケーションマネジメントミドルウェア事業部 第五開発部 プロジェクト課長の斎藤一実氏

XBRLが財務報告のサプライチェーンの流れをスムーズ化
 富士通株式会社は9月28日、財務情報のサプライチェーン実現を支援するミドルウェア「Interstage XWand」に関する説明会を開催した。

 2008年より日本版SOX法がスタートすることもあり、財務情報の透明性・正確性の確保やタイムリーな開示・流通への要求が高まっている。そのニーズを満たすため、現在、急ピッチで国際標準化が進められているのが、XMLをベースにしたビジネスレポーティング言語「XBRL(eXtensible Business Reporting Language)」。

 各種財務報告用の情報を作成・流通・再利用できるよう標準化されたデータ形式で、500以上の組織・団体が参加しているグローバル標準団体「XBRLインターナショナル」が中心となって仕様策定が行われている。

 すでに国内でも、国税庁、東京証券取引所、日本銀行などがXBRLを採用しており、2008年には金融庁も採択する方針。海外でも韓国、米国、スペインなどの公的機関などで採用されており、世界的に採用の機運が高まっている。

 富士通ではこの分野にいち早く注力し、XBRL標準ツールや関連アプリケーションの開発を支援するプロセッサなどを「Interstage XWand」という製品で提供し、グローバルに認知されている製品として、すでに約20カ国で導入実績があるという。また「先に述べた国内の公的機関のうち、金融庁および東京証券取引所なども同製品を採用。国内のパッケージ製品への組み込みなども進んでいる」(ソフトウェア事業本部 アプリケーションマネジメントミドルウェア事業部 第五開発部 プロジェクト課長の斎藤一実氏)。

 また、XBRLの開発と普及を図るコンソーシアムに対して、標準化の支援や仕様策定のけん引などで貢献。こうした活動によりグローバルに製品を認知されるようになったとし、「各国の開発チームなどから支援要請を受けるなど、世界各国のXBRL専門家から強い信頼を獲得している」(同氏)とのこと。


XBRLの構造
 XBRLでは、報告すべき科目・項目の辞書となる「Taxonomy」と、実際に金額や比率などの内容が入力された「Instance」の2つのファイルを扱うことになる。Interstage XWandには、これらを編集するためのツールとXBRLアプリケーション開発用のプロセッサが含まれており、開示書類を提出する上場企業、それらを集めて実際に開示する監査官庁などの機関など、立場に応じて異なる製品ラインアップをそろえている。


Interstage XWandの特長
 具体的には、「Interstage XWand Developer」「同 サーバ運用パッケージ」「同 パーソナル運用パッケージ」の3種類。同 DeveloperはXBRLアプリケーションを開発するための製品で、同 サーバ/パーソナル運用パッケージがそれらを運用するための製品となる。

 価格は、Interstage Xwand Developer、同 サーバ運用パッケージともに110万円(税別)から。同 パーソナル運用パッケージが22万円(同)から。現状はいずれもWindows版のみだが、「Solarisを利用する割合の多い」(同氏)官公庁などに向けて、同 サーバ運用パッケージのSolaris版を10月から提供する予定。価格は110万円(同)から。

 併せて、コンサルティングサービスやシステム開発などXBRLに関連するサービスも提供する。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/


( 川島 弘之 )
2007/09/28 14:46

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