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「企業の俊敏性を高めるユニファイドコミュニケーションを提供」、マイクロソフト


インフォメーションワーカービジネス本部 リアルタイムコラボレーション製品 マーケティングマネージャの越川慎司氏

近日発売予定のビデオ会議システム「ラウンドテーブル」
 マイクロソフト株式会社は9月28日、ユニファイドコミュニケーション(UC)に関する説明会を開催。インフォメーションワーカービジネス本部 リアルタイムコラボレーション製品 マーケティングマネージャの越川慎司氏が、同社の戦略を解説した。

 越川氏が引用したガートナーの調査によれば、まだUCの市場は全体的に初期段階にあり、採用が進んでいない状況。その理由としては、新たな技術の一部が十分に理解されていない、利用上のベストプラクティスが確立されてない、ROIを定量的ではなく定性的にしか伝えられない、といった点が挙げられるという。

 マイクロソフトでも、メッセージング分野での主力製品であるExchange Server 2007をはじめとして、11月発売予定の「Office Communications Server 2007」や、ビデオ会議システムの「ラウンドテーブル」といった製品を用意しているが、まだまだUCの価値を訴求しきれているとはいえない。そのため今後は、新たなメッセージによって価値を訴えていくという。

 具体的には、まずUCのコアになるプレゼンス(在席)情報の価値訴求を図っていく。「プレゼンスを利用すると相手の状況が分かるので、適切なコミュニケーションが可能になる点がメリット。これによって、適切なコンタクト先を見つけ、適切なタイミングで、適切なツールによって適切なコミュニケーションを行える」(越川氏)。

 また、「さまざまなツールとの連携手段の提供、最強のフロントエンドであるOffice Systemとの統合によって機能の不足や製品の統合といった課題をクリアする」(越川氏)考え。もっとも、UCの本質はシステム間の連携を促すためのソリューションではなく、その価値を引き出すためには、「インフォメーションワーカーをいかに快適にするか」ということを考えて、その目的のために周辺のツールをつなげる必要がある。越川氏はこれについて、「まずユーザーへプレゼンスというツールを提供し、インテリジェンスにどのツールをどのタイミングで使えば、俊敏性を持ったコミュニケーションが行えるのか、ということを実現させたい」とし、プレゼンスの重要性をあらためて強調した。


UCの導入によるビジネスメリット
 またこの分野では、早期導入事例やビジネスケースの公開も積極的に行っていく。UCを導入することで、ユーザーはコミュニケーションロスの抑制や俊敏性の向上により、ビジネスプロセスにおける人的遅延の発生を抑えられる。これがひいては、顧客満足度の向上や、対応時間短縮による対応顧客数の向上、意志決定の迅速化と追加提案による単価向上といった価値を生み出すとのことで、越川氏は「生産性向上という定性的な効果だけでなく、売り上げの向上など、十分財務に影響を及ぼせる定量的な効果が発生する。UCは効果が確実に現れるソリューションだ」と述べた。

 今後マイクロソフトでは、Office Communications Server 2007やラウンドテーブルといった新製品をリリースするほか、UC関連の機能を強化するExchange Server 2007 SP1を今年中に提供するなど、製品面を強化。さらに、顧客向けのイベントやセミナー、キャンペーンなどを行い、UCの価値を訴えていく意向だ。さらに、ひろくパートナーとの協業を進め、関連ソリューションや製品の提供といった、周辺部の強化も行っていくとしている。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/


( 石井 一志 )
2007/09/28 15:07

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