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米Intel上席副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏
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インテル株式会社は9月28日、米Intel上席副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏の来日に合わせ、米サンフランシスコで先週開催された「IDF Fall 2007」のトピック紹介のほか、今後の製品計画などに関する説明会を開催。45nmプロセスの次期プロセッサ「Penryn(開発コード名)」や次期マイクロアーキテクチャ「Nehalem(開発コード名)」の概要などを紹介した。
ゲルシンガー氏はまず、「チックタック・モデル」に基づいた同社の取り組みを紹介。プラットフォーム機能においては、インテルTXTやインテルVTなどハードウェアにより仮想マシンの保護を進めていることや、vProやCentrino Proなど運用管理機能を内蔵したクライアントPCの累計出荷数が500万台を超えている点など、順調に成果が出ているとした。次期vProである「McCreary(開発コード)」に関しては、Penrynファミリーや、AMT 5.0・TPM 1.2を内蔵した「Eaglelake(開発コード名)チップセット」に対応することのほか、鉛フリーやハロゲンフリーなど環境への配慮が行われていることなどを紹介。2008年後半に発表されることなどを明らかにした。
また、McCrearyで採用される「Danbury(開発コード名)テクノロジー」も発表された。Danburyテクノロジーは、暗号化キーの管理・復元、暗号化キーの保護、ハードディスクの暗号化などをハードウェアで実現するもの。これにより、暗号キーの管理はより容易に行えるとしている。
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ハードウェアによる仮想化支援
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次期vPro「McCreary」
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Danburyテクノロジー
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I/O関連では、2007年下半期に発表が予定されている45nmプロセスの「クアッドコアXeon 5400プロセッサ」と「X38 Expressチップセット」においてPCIe 2.0に対応することを紹介。また説明会では、PCIe 2.0の2倍の帯域幅を持つ「PCIe 3.0」対応製品を2010年にも提供する予定であることも明らかにした。
そのほか、QuickAssistテクノロジーやTolapai SOCアクセラレータなど、アクセラレータ分野への対応状況や、USB 2.0の10倍以上の性能を実現するUSB 3.0、ファイバーチャネルをカプセル化してイーサネット上で通信を可能にするFCoEへの対応状況などが説明された。
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QuickAssistテクノロジー
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Tolapai SOCアクセラレータ
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USB 3.0
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45nmプロセスのクアッドコアXeon 5400については、既存のクアッドコアプロセッサと比較した各種ベンチマークを紹介。45nmプロセスにより、小型化しながらもトランジスタ数やキャッシュの容量を増大させるなど性能向上を実現したと紹介した。また、9月にAMDが発表したクアッドコアOpteron(開発コード名:Barcelona)と比較したベンチマーク結果も示し、性能面での優位性を強調した。
2008年に発表予定の次期マイクロアーキテクチャNehalemに関しては、システムアーキテクチャなどを紹介。Nehalemで採用されるシリアルインターフェイスQuickPath Interconnectでは、これまでのプロセッサとチップセットとの接続だけでなく、プロセッサ間での直接接続にも使われることや、メモリコントローラの内蔵、オプションでのグラフィックス機能内蔵などが明らかにされた。
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45nmプロセスによりトランジスタ数もキャッシュ容量も増加
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クアッドコアOpteronとの性能比較
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Nehalemのシステムアーキテクチャ
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また、説明会では同社も参加するPCやサーバーの電力効率を高めるための団体「Climate Savers」の活動内容も紹介。ゲルシンガー氏は、「デスクトップPCの場合、コンセントから供給された電力の半分近くが無駄な熱となって消費されている」と、電力効率を高める必要性を紹介。こうした現状に対して、Climate Saversでは、2010年までに世界のコンピュータ利用に伴う二酸化炭素の年間排出量を5400万トン削減することを目標に活動を行っていると紹介した。
■ URL
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
( 福浦 一広 )
2007/09/28 16:51
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