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インテル、Moorestownなど最新テクノロジーを紹介


米Intel主席副社長兼最高セールス&マーケティング責任者(CSMO)のショーン・マローニ氏
 インテル株式会社は10月4日、米Intel主席副社長兼最高セールス&マーケティング責任者(CSMO)のショーン・マローニ氏の来日にあわせ、プレスセミナーを開催。米サンフランシスコで9月に開催された「IDF Fall 2007」での最新技術情報などを紹介した。

 マローニ氏はまず、シリコンを用いたトランジスタの限界を紹介。「シリコンプロセスの微細化により、電流の漏れという問題が起こった。そのため、これ以上薄くすると電流が漏れることから、ムーアの法則も限界があるという声が出てきた」と説明。それを解決する方法として、「45nmトランジスタでは、ハフニウムを利用したHigh-Kメタルゲートを採用した。これにより、20%以上の性能向上と10倍以上の漏れ電流の改善を実現した。すでにこの技術を用いた32nmトランジスタのデモも行っている」と、大きな革新を実現したと述べた。

 この45nmを採用したプロセッサは、省電力からHPCに最適化されたものまで、幅広いセグメントに対応した製品としてラインアップすると説明。チップサイズが小さくなったことで、小型化も実現するとしている。


シリコンプロセスの微細化では電流漏れが発生する問題が存在 High-Kメタルゲートの採用により、20%以上の性能向上と10倍以上の漏れ電流を改善

 全世界でニーズが高まるモバイルに関しては、「クライアント製品において、ノートPCの比率は高まっており、2009年には50%を超えると予測している。次世代のモバイルプラットフォームMontevina(開発コード名)では、WiMAXやHDビデオのサポートのほか、消費電力も25Wまで下げる」と、積極的にモバイルにも力を入れているとした。

 また現状のモバイル機器では、インターネットをフルに利用できない点を指摘。「YouTubeなどはモバイル機器でフルに利用できない。こうした現状を変えなければならない」と述べ、ノートPCの次のデバイスとしてモバイル・インターネット・デバイスを紹介した。このモバイル・インターネット・デバイスは、Menlow(開発コード名)プラットフォームを採用したデバイスで、45nmプロセスによる微細化で実現すると説明。小型化・省電力化のほか、WiFiとWiMAXの両方をサポートすると述べた。


Menlowプラットフォーム 小型化と省電力化を実現した無線カード

 また、マローニ氏はMenlowの次のプラットフォームである「Moorestown(開発コード名)」にも触れ、「Moorestownでは、CPU、グラフィックス、メモリコントローラなどをチップに統合する。また、システムコントローラやI/Oも統合することで、さらに小型化・低消費電力を実現する」と説明。Menlowと比べて、アイドル時の消費電力で10倍以上削減できると述べた。


Moorestownプラットフォーム アイドル時の消費電力を10倍以上削減

 エンタープライズ向けでは、クアッドコアXeon 5400番台(開発コード名:Harpertown)を紹介。トランジスタ数で、クアッドコアXeon 5300番台の5億8200万個に対して、8億2000万個に増加しながらも小型化を実現したことなどを紹介した。


新旧クアッドコアXeonを比較 ベンチマーク結果を示し、性能面で向上している点をアピール


URL
  インテル株式会社
  http://www.intel.co.jp/


( 福浦 一広 )
2007/10/04 19:18

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