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米CodeGear Delphiプロダクトマネージャのニック・ホッジス氏
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CodeGearの製品ラインアップとターゲット市場
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CodeGear RAD Studio 2007の概要
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ボーランド株式会社 CodeGear事業部は10月22日、米CodeGear Delphiプロダクトマネージャのニック・ホッジス氏の来日にあわせ、「Delphiテクノロジー説明会」をプレス向けに開催した。23日に開催される「第7回 CodeGearデベロッパーキャンプ」に先だって行われたこの説明会でホッジス氏は、Delphiテクノロジーの現状と将来のロードマップを明らかにした。
ボーランドは、2006年11月14日に同社開発ツール部門を「CodeGear事業部」として社内分社化。以来CodeGear事業部では、開発者の最適化に100%フォーカスした展開を進めてきた。ホッジス氏は、「現在CodeGearでは、Delphiを始めとして、SQL、C/C++、Java、PHPなどまで、あらゆる開発言語とその使用分野にあわせて幅広い製品群を展開しており、ビジュアル開発ツールに関するすべての市場をカバーするラインアップをそろえている」と、CodeGearの現状を述べた。
また、エンタープライズ企業の開発者が求めているニーズとして、「高機能で拡張性のある開発ツールを求めていると同時に、限られた予算の中で、簡単にカスタマイズができる環境も求められている。そして、これに加え、新しいOS環境への対応やデータベースのリプレース、Webテクノロジーの利用、さらにはネイティブアプリケーションの需要も、下がることなく依然として続いている」と説明。
これらのニーズに対応する最新のDelphiテクノロジーとして、Windows 2000/XP/Vista対応のネイティブWindows開発と.NET開発の双方に対応したマルチ言語開発環境「CodeGear RAD Studio 2007」を投入したという。同製品では、最新のVista環境に対応したDelphiであるDelphi for .Net、C++ Builderを共通のコンポーネントフレームワークに統合。ASP .NETやVCL for Webにより、データベースを利用するAjax対応のWebアプリケーションを迅速に開発することが可能となっている。
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RAD Studio製品のロードマップ
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さらにホッジス氏は、この「CodeGear RAD Studio 2007」に続くDelphiテクノロジーの将来のロードマップを発表。2008年中旬に「Tiburon/Barracuda」、2008年~2009年にかけての冬に「Commodore」をリリースする計画だという。
Tiburonでは、1)アジア地域の需要に応えるため、Delphi for Win32およびVCLにおけるユニコード化、2)言語およびランタイムライブラリを超えたパラメータ化されたタイプ、3)VLCおよびランタイムライブラリの改良、4)C++ Builderの強化と標準仕様への準拠の継続、という4点にフォーカスして開発していく方針。また、ユーザーの要望に対応し、ドキュメントのアップデートを継続的かつ頻繁に行っていくという。このほか、データベース関連機能のアップデートも計画しており、Blackfish SQLをベースとしたBDEのアップデート、DataSnapの改良、DBXClientの改良などを予定する。
あわせて投入予定のC++ Builder in Tiburonの機能強化点についても明らかにし、新しいキーワードや言語機能のためのコンパイラサポート、フル2Wayモデリングのサポート、コンパイラの標準準拠強化の継続、追加のC++リファクタリング機能、C++向けの検査・測定機能、プロジェクトワイドのクラスブラウザ、プリビルドBoostライブラリの同梱などを挙げた。
Commodoreは、ネイティブ64ビットコンパイルへの対応が大きな特徴で、ランタイムライブラリとVCLソースコードの完全なソリューションをサポートする予定。
なお、Commodore以降のDelphiテクノロジーの方向性としては、マルチコア/マルチスレッド開発、PDAおよびCompact Framework開発、言語機能の強化と標準準拠、リッチインターネットアプリケーション開発、他OSでのクロスコンパイルなどを検討しており、2009年中旬から後半での製品化を見込んでいる。
■ URL
ボーランド株式会社 CodeGear事業部
http://www.codegear.com/jp/
( 唐沢 正和 )
2007/10/22 18:44
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