Enterprise Watch
最新ニュース

ITGI Japan、企業のITガバナンスの取り組みを支援する書籍を翻訳出版


日本オラクルの執行役員 アプリケーションビジネス推進本部長、藤本寛氏

ITGI Japanの事務局長、梶本政利氏
 日本オラクル株式会社とISACA、日本ITガバナンス協会(以下、ITGI Japan)は10月26日、「セキュリティ、監査、コントロールのための機能 Oracle E-Business Suite テクニカル/リスク・マネジメントリファレンス・ガイド第2版」をITGI Japanが翻訳出版したと発表した。ITGI Japanのオンラインブックストアでのみ購入でき、価格は非会員価格で70ドル。

 この書籍には、財務報告に関する業務処理統制はもちろん、勘定科目マスターやユーザー設定など、ITインフラのセキュリティ管理に代表されるIT全般統制について記述されているほか、重大なリスク、キーコントロール(重要な統制手続き)、コントロールのテスト手法などといった監査手法について、COBITを参照して書かれているという。

 日本オラクルとISACA、ITGI Japanの3団体では、ITガバナンスへの取り組み強化を啓発するため協業を行ってきているが、今回の出版はその成果の1つ。日本オラクルの執行役員 アプリケーションビジネス推進本部長、藤本寛氏は、「今回の出版では、書籍を当社の技術担当者がレビューしたり、情報提供したりして協業した。客観的な仕組み・定義をしているところと、製品を持っているところがまったく相容れない考えでは、顧客にとっての解決策が具体化しない。フレームワークをしっかりとキャッチアップして学んでいくことにより、実践的な解決策を顧客に提示できるので、当社でもしっかりと取り組んでいる」とコメントした。

 一方、ITGI Japanの事務局長、梶本政利氏は「ERPを使うということは、身の丈にあった既製服でなくてはいけない。スリム化すれば確かに流れは良くなるが、一切無駄のないやせすぎでは(企業は)いけないし、冗長なプロセスがある肥満状態でも既製服は着られない。今回の書籍では、そのあたりの課題解決のために、実務者が使える内容を具体的に書いてある。どこまで(統制などを)やるかという1つのモデルを示すとともに、適切なコントロールとセキュリティについて勉強するためにも有用だ」と話している。

 なお、この書籍は例としてOracle E-Business Suiteを取りあげているが、「企業のビジネスプロセスがそう異ならないからこそ、ERPパッケージが成り立つ。大きく異ならないのだから、ほかのERPにも有用だ」(梶本氏)とのことで、汎用的に使えるとの見方を示した。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ISACA東京支部
  http://www.isaca.gr.jp/homepage_j.htm
  日本ITガバナンス協会
  http://itgi.jp/


( 石井 一志 )
2007/10/26 18:17

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.