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米Dellデル会長が来日、「ITのシンプル化で既存リソースの解放を」


米Dell会長兼CEOのマイケル・デル氏
 デル株式会社は10月29日、米Dell会長兼CEOのマイケル・デル氏の来日に伴う記者説明会を開催。新しいグローバル戦略「ITのシンプル化」構想など、同社のビジネス戦略についての説明が行われた。

 デル氏はまず、日本でのこれまでの活動について触れ、「日本で活動を始めて15年で30億ドルのビジネス規模にまで成長した。また、PC市場全体では、2007年第2四半期にはシェア2位になるなど順調に伸びている」と、成果を強調。また、アジア地域全体では、2007年第3四半期には140万台を出荷。売上も第2四半期で20億ドルを達成するなど、日本を含むアジア地域が同社にとって重要な市場であるとした。

 「アジア地域は、全世界の人口の60%を占め、またインターネット利用者数が増大しており、世界でももっとも急速に成長している市場。その中でも日本企業のIT投資は売上の3%を占めており、高いレベルに到達している」と説明。「しかし、そのIT投資のうち、既存システムのメンテナンスやガバナンスなどに7割以上が使われており、新しいビジネスには3割程度しか使われていない。こうした既存システムに使われているIT投資のリソースを解放する必要がある」と述べ、これを実現するためにもITのシンプル化が重要であるとした。

 今回発表されたITのシンプル化は、ITインフラの「標準化」「統合」「自動化」により、企業内に存在する非効率な作業を減らし、リソースの有効活用を目指すもの。「ITが複雑化した要因として、ソフト・ハード、インテグレーションがそれぞれ分離していたことが挙げられる。そのため、企業内でさまざまなアーキテクチャが存在してしまっている。こうした現状をふまえて提案するのがITのシンプル化だ。単純にシステムだけを提供するものではなく、企業のIT全体を対象にエンドトゥエンドで提供するサービスといえる。これはDellの戦略でもあり、哲学でもある」と説明。

 「VMwareをあらかじめ搭載したサーバーを発表したが、これを利用すれば数分で仮想環境を構築できる。また、大規模データセンター向けの製品を、11月に開催されるOracle OpenWorld 2007で発表する予定。こうしたサーバーを利用することでITのシンプル化を実現する」と、x86サーバーを中心とした業界標準技術を利用することで、企業のITシステムをシンプルにできると説明。「直接的な費用削減だけでなく、このITのシンプル化により、企業は時間・お金・人材を有効活用できるようになる」と、企業にとっては、リソースの再配置によるビジネス拡大といったメリットを享受できると述べた。



URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/
  プレスリリース
  http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2007/071029b?c=jp&l=ja&s=corp


( 福浦 一広 )
2007/10/29 14:30

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