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マイクロソフト、具体的な業務を想定したSQL Server 2008早期実証プロジェクト


CQIの概要
 マイクロソフト株式会社は11月15日、次期データベース製品「Microsoft SQL Server 2008(以下、SQL Server 2008)」の早期実証プロジェクト「Center of Quality Innovation(以下、CQI)」を開始すると発表した。CQIは同社のほか、日本電気株式会社(以下、NEC)、日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)、日本ユニシス株式会社の3社と共同で実施する。

 今回発表されたCQIは、実際のユーザーに対するSIプロジェクトを想定して策定したRFPに対して実証評価を行うプロジェクト。具体的なシナリオとして、1)コンプライアンスシナリオ、2)データウェアハウスシナリオ、3)サーバー統合シナリオ、4)旧バージョンからのアップグレード/移行シナリオ、の4つのシナリオに基づいた実証作業を、米Microsoftの開発チームと参加各社が連携して実施する。

 コンプライアンスシナリオは、日本版SOX法で求められるコンプライアンスに対応するためのガイドライン提示を目的としたもので、マイクロソフトが担当する。SQL Serverでカバーすべき範囲の明確化や日本版SOX法対応に必要となる機能の実装方法の確立、システムに与える影響の計測などを行う。

 データウェアハウスシナリオは、SQL Server 2008で拡張されたデータウェアハウス機能を、テラバイト級のデータウェアハウスを想定して実証作業を行うもので、NECが担当する。具体的な実証作業として、1)月1億レコード、年間1.2TBのデータを10年間保持するシナリオを想定した、バッチ処理・データ蓄積処理の実証、2)同時100ユーザーを想定したオンライン検索処理の実証、3)WebおよびExcelインターフェイスからの分析処理の実証、を実施する。

 サーバー統合シナリオは、複数のSQL Serverを1台の64ビットサーバーに集約するメリットおよび運用管理方法などの実証作業を行うもので、日本HPが担当する。具体的な実証作業として、シングルインスタンス/シングルデータベース方式での実証、シングルインスタンス/マルチデータベース方式での実証、マルチインスタンス/マルチデータベース方式での実証、を実施する。

 旧バージョンからのアップグレード/移行シナリオは、SQL Server 2000/2005からSQL Server 2008への移行や互換性に関する実証作業を行うもので、日本ユニシスが担当する。具体的な実証作業として、SQL Server 2000/2005とSQL Server 2008との共存実証、SQL Server 2000のRDB・多次元DBの移行実証、SQL Server 2005のRDB・ミラーリング構成・パーティション構成・多次元DB・Reporting Services構成・Integration Services構成などの移行実証、を実施する。


NEC第一コンピュータソフトウェア事業部 事業部長の赤津素康氏、「SQL Server 2008はミッションクリティカル向けに地道な機能強化が図られている点を評価している」
日本HP執行役員 テクニカルセールスサポート統括本部 統括本部長の山口浩直氏、「SQL Server 2008でのサーバーコンソリを進める上での課題を解決する」
日本ユニシス理事兼共通利用技術部 部長の福島康夫氏、「2000年から包括提携を結び基幹分野での取り組みを強化。今回はSQL Server 2008への移行を検証する」

米Microsoft SQL Server開発部門ジェネラルマネージャのクエンティン・クラーク氏

SQL Server 2008のRTMは2008年夏になる予定
 米Microsoft SQL Server開発部門ジェネラルマネージャのクエンティン・クラーク氏は、「SQL Server 2008では、メインライン(製品)は常に出荷可能な状態を保ちつつ、新機能や機能強化をImprovement単位で構成されたチームで開発するという開発体制をとっている。これにより、新機能などImprovementはメインラインと分離して開発されることになり、製品品質の向上につながっている」と常に安定バージョンを保ちつつ、ユーザーニーズに応じた新機能を開発できる体制を構築していると説明。「この開発体制により、これまで新バージョンリリースまで5年かかっていたものを2~3年でリリースできるようになった」と、製品の早期リリースにも対応できたと紹介した。

 また正式出荷前のテストも広範囲で実施していると説明。「社内での検証のほか、TAP(早期導入プログラム)に参加する各パートナーでの検証、ユーザー企業でのテストなどを経て製品を完成させている。今回実施するCQIは、ミッションクリティカル環境での具体的なSIプロジェクトを想定して実証評価を行うプロジェクト。実証結果は技術資料として公開するだけでなく、システムとしての品質向上にも利用する」と述べた。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3271


( 福浦 一広 )
2007/11/15 14:13

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