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「使えばデータ統合のメリットが理解できます」-インフォマティカ


 インフォマティカ・ジャパン株式会社は、企業内データ統合ソリューションの最新版「Informatica Release 8.5」を11月5日に発表した。リアルタイム性能を向上させるなど、機能アップを図っている。また今回の製品では、日本語版への対応を早めるなど、日本市場を重視している様子が伺える。今回、米Informatica上席副社長兼データ・インテグレーション事業ゼネラル・マネージャーのギリッシュ・パンチャ氏と、インフォマティカ・ジャパン代表取締役社長の内田雅彦氏に、日本市場での今後の取り組みなどについて話を伺った。


米Informatica上席副社長兼データ・インテグレーション事業ゼネラル・マネージャーのギリッシュ・パンチャ氏
―2007年第3四半期が前年同期比22%増と記録的な売上となったとのことですが、この要因は?

パンチャ氏
 米国以外でのビジネスが大きく貢献しています。ヨーロッパの場合、事業統括責任者が代わり、8億ドル規模のビジネスまで高めたことが貢献しています。

 また、アジア太平洋地域においても、この2~3年でてこ入れをしてきました。日本の場合、4名体制だったものから100名以上の体制にまで拡大しています。これに伴い、売上も伸びています。


―日本市場の特長はどのようになっていますか?

パンチャ氏
 たとえば中国市場を見てみると、導入企業の多くがアーリーアダプタであることから、UIが英語であっても問題はありません。これに対して、日本市場では、カスタマーサポートを含めてローカライズが非常に重要です。また、クオリティへの要求も高く、メンテナンスサポート期間も長期化しがちです。

 これまでは、こうした日本市場の特性に十分対応できていませんでした。今ではこうした特性に合わせ、米国で製品を発表した60日以内には日本語版を投入できる体制をとっています。また、単なるローカライズだけでなく、日本市場にあわせたコネクタ類も開発しています。

 日本市場に対しては、2006年に内田さんが社長に就任し、約2年をかけて体制も整えています。今は満足できる成果が出ているとおもっています。


―Informaticaが提唱するICC(インテグレーション・コンピテンシー・センター)ですが、なかなか理解しづらい面があります。もう少しわかりやすく説明していただけますか?

パンチャ氏
 ICCは既存の情報をいかに再利用するかという考え方が基本となっています。さまざまなプロジェクトごとにデータ統合システムを導入すると、同じDB2を利用していたとしても、個別に管理する必要があり、結果的にはデータ統合システムへの投資が機能していないことになります。これを、たとえば特定のプロジェクトで利用した収益・売上という定義を、再利用できる形式にすれば、複数のプロジェクトでも利用できるようになります。こうした考え方に即して開発されているのがInformaticaの製品になります。


―ということは、ICCという考え方はInformatica製品でのみ実現するということでしょうか?

パンチャ氏
 それは違います。他社の製品でも実現しようとおもえば可能です。ただし、Informaticaの製品を利用すれば、よりICCを実現しやすいのは確かです。絶対的に必要ではないが、ICCのキーテクノロジーといえば理解しやすいのではないでしょうか。


インフォマティカ・ジャパン代表取締役社長の内田雅彦氏
―先日の発表会では、日本国内においてICCの浸透を目指したICCフォーラムを開設するという話が出ました。

内田氏
 ICCにフォーカスしている企業として、ICCを知らしめる責任があると考え、来年春を目標にICCフォーラムの開設を進めています。ICCフォーラムでは、ICCに成功した事例などを中心に紹介できればと考えています。

 日本では、ICCをEAI(Enterprise Application Integration)の発展型ととらえられています。ただし、ICCがEAIと大きく異なるのは、ICCがビジネスとリンクしているという点です。IT側だけでなく、ビジネス側のメリットが得られるかどうかが重要だからです。

 CIOの意識は変わってきています。このICCは全体最適の中で考えるテーマであり、全体を俯瞰的に見られる人が対象となっています。CIOが課題意識を持っているのは確かです。

 このICCフォーラムでは啓もう活動が中心になりますが、ICCをいかに実現するかが第一の目標です。ICCが浸透することで、ICCの有用性を理解していただければとおもっています。


―具体例を示すことが重要ということですね。

内田氏
 そうです。ICCフォーラムは啓もう目的ですので、どれくらい参加するかというのが目標ではなく、いかに複数の事例を発表できるかが成果になると考えています。

パンチャ氏
 CIOの方々に理解していただきたいのは、データ統合は重要なレイヤーであるということです。データ統合を利用すれば、コンポーネントベースのアプリケーションへ対応できるようになります。

 言葉ではなかなか理解できないとおもいますので、Informaticaの製品を一度利用してみてください。使ってみれば私が伝えようとしていることが理解できますよ。



URL
  インフォマティカ・ジャパン株式会社
  http://www.informatica.com/jp/

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( 福浦 一広 )
2007/11/16 12:00

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