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3周年を迎えたIPA SEC、これまでの成果と今後の活動方針を説明 |
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SECは、ソフトウェア開発におけるプロジェクト（PJ）の納期延期、予算超過など、現場のトラブルを解決し、高品質なソフトウェアを効率よく開発するための環境作りを目的にIPA内に発足された組織。主にエンタープライズ系PJ、組み込み系PJ、先進PJの3点をテーマに、ソフト開発企業、大学や研究期間などから、技術者・研究者が集まり、産学官の枠組みを超えた活動を展開している。 SEC所長の鶴保征城氏はまた、「産学官連携の“要”としての役割が大きく、大学の研究開発を産業界の課題とマッチングさせる橋渡しとなるべく、活動の場を設定・提供などを行っている」と述べる。 そうした方向性の下、2004年10月に設立されてから3周年を迎えるにあたり、1つの区切りとして、これまでの成果と今後の活動方針が説明された。 活動人員としては、129の企業、24の大学から集まった369名のタスクフォースメンバーと48名のSECメンバーが集い、継続的に議論と開発を続けてきた。その成果として、鶴保氏がまず挙げたのが、発行部数総計18万4000冊の23種類の出版物。合計1774件に及ぶ開発事例のデータを収集・分析し、それらを定量データとしてまとめた「ソフトウェア開発データ白書 2007」をはじめ、PJにおける典型的なトラブルと対策を類型化した「ITプロジェクトの『見える化』～上流/下流工程編」などPJを効率よく進めるための参考書を刊行。 また、開発PJの見積もりに関するガイドラインとして、保守開発の見積もり成功・失敗例をまとめた「ソフトウェア改良開発見積もりガイドブック～既存システムがある場合の開発～」、開発フェーズの見積もり精度を向上させるための「ソフトウェア開発見積もりガイドブック」なども刊行している。
今後は、さらにノウハウの形式化や検証を進めて高度化するとともに、2010年以降はガイドライン・制度化を果たし、普及・定着をめざす方針という。 併せて教育・人材育成にも努める。ソフトウェア開発はヒューマンスキルに依存する部分が大きい。特にIT業界は、「おかしなことに他業種の方が情報処理技術者試験の合格率が高い」（鶴保氏）など、技術者のスキル不足が深刻である。鶴保氏は、こうした状況に効く特効薬はないとし、作成したツールの普及など、基本的なところから地道に取り組んでいく意向を見せた。 IPA理事長の藤原武平太氏もこれに付け加えて、「10月1日よりIPA内にIT人材育成部をスタートさせている。今後は、組み込みスキル標準ETSSの整備をはじめ、各標準と技術試験の整合性が取れるよう試験内容などを改革していく」と語った。 なお、今回説明された成果を利用しての実証実験がすでに95件行われており、企業・団体などにおける事業活動でも実際に適用されているという。今回は設立3周年を機に、その中から特に高い効果を得ている8つの企業・団体に対して、「ソフトウェアエンジニアリングベストプラクティス賞」を授与すると発表した。 受賞したのは、グローリー、JMAAB MBDエンジニア育成ワーキンググループ、東海大学、トヨタ自動車、にいがた産業創造機構、日本ユニシス、日立、および定量データを提供した全20社。同賞の授賞式を11月28日に行う予定。 ■ ＵＲＬ 独立行政法人 情報処理推進機構 http://www.ipa.go.jp/ ソフトウェア・エンジニアリング・センター http://sec.ipa.go.jp/
（ 川島 弘之 ）
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