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日本アバイア、コンタクトセンター利用に関する調査結果を発表

企業への問い合わせは電話よりもEメールやネットを利用

日本アバイアのCRMアプリケーションマネージャー、田中美紀氏

企業のコンタクトセンターを評価するポイント
 日本アバイア株式会社は11月29日、一般消費者を対象に行ったコンタクトセンターの利用体験に関する調査結果を発表した。この調査は、米Avayaが調査会社に委託し、アジア太平洋地域7カ国(日本、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、インド、中国、韓国)のコンタクトセンター利用者それぞれ300人を対象に、インターネットで行ったもの。今回、そのうち日本における調査結果のトピックスを説明した。

 日本での調査は、国内に住む16歳から82歳までの男女コンタクトセンター利用者300人を対象に、10月1日~31日まで行われ、過去3カ月以内のコンタクトセンター利用体験を聞いた。その結果日本の消費者は、企業に問い合わせをする際、Eメールやインターネットの利用を好むことが明らかになった。また、問い合わせの方法については、世代や性別によって特徴があることもわかった。

 調査結果の詳細としては、まず、「企業のコンタクトセンターを評価するポイント」については、「担当者のプロ意識」が55%で最も多く、ついで「正確さ」が43%となった。関連する質問として、「コンタクトセンターへ最後に電話したときの対応」について聞いたところ、良い点としては「対応の質が良い」、「顧客として大事にされていると感じる」が上位を占めた。一方、悪い点では「対応が悪い」、「話し方が悪い」との回答が多かった。

 日本アバイアのCRMアプリケーションマネージャー、田中美紀氏は、「日本の消費者は、コンタクトセンターの評価について、担当者がしっかりと対応してくれるかどうかの“質”を重視する傾向が強い。これに対してほかの国では、対応の早さを重視しているところが多く、コンタクトセンターへの意識の差が見られた」としている。


「コンタクトセンターへ最後に電話したときの対応」良い点トップ3 「コンタクトセンターへ最後に電話したときの対応」悪い点トップ3

問い合わせ手段についてのアンケート。約5割が、電話よりもインターネットやEメールでの問い合わせることを好むと回答した
 カスタマーサービス担当者の年齢や性別に対する好みについては、性別によって異なる傾向を見せており、女性は半数を超える51%が担当者の性別を問わず自分より年上の担当者を好むと回答し、男性は36%が自分と同世代または年下の女性担当者を好むと回答した。「男性は異性の担当者を好み、親しみのある対応を求めているのに対し、女性は的確な対応を望み、経験・知識が豊富な年上の担当者を好むことがわかった。なお、好まれる著名人の声では、福山雅治さん、黒木瞳さんなどが挙げられ、とくに福山雅治さんは男女問わず全世代で多くの回答を得ていた」(田中氏)という。

 コンタクトセンターへの問い合わせの方法に関する質問では、調査対象者の約半数にのぼる48%が「電話より、インターネットやEメールで問い合わせることを好む」と回答した。世代別に見ると、ポスト団塊ジュニア(16~30歳)、団塊ジュニア(31~45歳)、団塊世代(46~61歳)ともに同様の傾向となったが、とくに団塊ジュニアの数値が高く、53.85%と半数を超えた。


簡単な問い合わせであれば音声応答システムが良いと回答した人も多かったという

日本アバイアのコンタクトセンターソリューション

米Avaya カスタマーサービス アプリケーション部門 ディレクターのテッド・ブロイ氏
 また、音声応答システムなどセルフサービスソリューションへの認識として、調査対象者の45%が、銀行口座の残高、映画の上映時間、電車の時刻表などの簡単な問い合わせであれば、プッシュホンシステムや音声認識システムを使ったカスタマーサービスでも構わないと回答。セルフサービスソリューションに対する抵抗感が少なくなってきていることがわかった。一方、株取引や航空券の予約・支払いなどの少し複雑な問い合わせ、銀行口座の新規開設といったかなり複雑な問い合わせに対しては、まだカスタマーサービス担当者による対応を望む人が多かったという。

 同社では、今回の調査結果を受け、音声、Eメール、チャットなどさまざまなメディアを使った問い合わせに対応するマルチチャネル・コンタクトセンターへのニーズが世代を問わず高まっていると分析。今後、コンタクトセンターに求められる対応として、1)エージェント(担当者)の質向上および最適なルーティング、2)電話・メール・Webなど複数の問い合わせを一元管理、3)問い合わせ手段の拡充、の3点を指摘した。これらによって、顧客の要件を的確に振り分け、簡単な問い合わせは音声応答システムに、より複雑な問い合わせは適切なオペレータに、スムーズにつないでいくことが重要な課題になるとしている。

 なお、発表会では、この調査結果から明らかになったコンタクトセンターの課題に対応するソリューションとして、同社の提供するマルチチャネルソフトウェアアプリケーション「Avaya Interaction Center」および、SIP対応自動音声対応ソリューション「Avaya Voice Portal」の説明も行われた。

 米Avaya カスタマーサービス アプリケーション部門 ディレクターのテッド・ブロイ氏は、「Avaya Interaction Centerでは、電話やEメール、Webチャットなど、さまざまなアクセス手段からのコンタクトをすぐに認識し、一元的に管理することができる。さらに、データベースと連携し、発信番号、Eメールアドレス、WebのログインIDに基づいて、適切なエージェントにつなぐデータベースルーティングを実現できる。また、Avaya Voice Portalでは、音声による対応を自動化するソリューションとしてボイスポータル環境を実現する。これにより、PCのない環境でも電話を使って、音声でWebサイト上の情報を検索できるサービスを提供できるようになる」とした。



URL
  日本アバイア株式会社
  http://www.avaya.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.avaya.co.jp/corporate/pressroom/2007/07_11_29.shtml


( 唐沢 正和 )
2007/11/29 18:33

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