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米Symantecのグローバルソリューションズ担当副社長、ホセ・イグレシアス氏
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データセンターにおけるエネルギー消費の問題は、企業における大きな問題として認知されてきている
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株式会社シマンテックは12月4日、グリーンデータセンターに関する説明会を開催。米Symantecのグローバルソリューションズ担当副社長、ホセ・イグレシアス氏が、グリーンデータセンターの現状や同社の取り組みなどを解説した。
グリーンデータセンターとは、環境にやさしいデータセンターのこと。ここ最近のデータセンターでは、消費電力や冷却などの問題は大きな課題になっており、環境への配慮やコストなどの面から、グリーンデータセンターに関する注目が高まっているという。イグレシアス氏が引用したアナリストの調査によれば、「CIOの70%が電力供給と冷却の問題を危ぶんでいる」状況で、また「ハードウェアにかかるコスト1ドルあたりにつき、50セント分のコストをエネルギーにかけている」(イグレシアス氏)というのである。
このような状況をかんがみ、データセンターの管理者はさまざまなアプローチを採用しているというが、イグレシアス氏はそのアプローチを3つに分けて説明した。まず同氏が挙げたのは技術的なアプローチで、空気の流量をよくしたり、マシンの配置を変えて発熱量を減らしたりする取り組みがこれにあたる。次は「ハードウェアのアップグレード」で、これは古い効率の悪いハードウェアを新しい製品に置き換えることで実現されるが、コストがかかってしまう点が問題になるという。3つ目は「ソフトウェアによる効率化」で、「もっとも投資効率が得られる部分であり、基本的に個々のインフラを変えなくて済む」と述べたイグレシアス氏は、Symantecが支援できる領域もここだとした。
この領域ではまず、「サーバーの効率化」が実現できるという。イグレシアス氏は「当社のソリューションを利用すると、例えば6組のクラスタ構成が存在した場合、1台に対して1台のスタンバイを持たせるのではなく、全体でも1台だけでスタンバイを済ませられるようになるので、5台の節約ができる」と述べたほか、ディザスタリカバリの分野でも同じメリットが提供できると主張した。またVMware環境向けアプリケーションである「Veritas Cluster Server for VMware ESX」を紹介し、管理性を向上できるとアピールしている。
ストレージの領域では、「Veritas Storage Foundation」による階層化ストレージやストレージ使用率の向上、「Veritas NetBackup PureDisk」による重複排除、といった技術を挙げ、これらの技術によって物理的なストレージ資源を減らせるため、コストや電力を削減できると説明した。通常、階層化ストレージでは管理性やプライマリの高速なストレージの有効活用ができる点をメリットとして解説することが多いものの、消費電力の削減効果も相当見込めるとのことで、3層構造にした場合、プライマリストレージに比べて、3層目のストレージでは実に64分の1の消費電力で済むという。
さらにイグレシアス氏は、「IT環境の側面であまり注目されていないが、実はラップトップPCやデスクトップPCの電力消費量も多い」と述べ、エンドポイントデバイスの取り組みも重要と指摘。PCをスケジュールに基づいてシャットダウンしたり、一定時間PCを使用していない場合にはスタンバイモードへ移行させたりできるAltirisのソリューションによって、この分野でも消費電力を削減できるとしている。「1つの調査によれば、エンドポイントデバイス1つあたり、年間50ドルの削減が可能といわれている」(同氏)。
なおSymantecでは、このような取り組みを自社内で実践して“グリーン対応”を進める一方、コンシューマ向けソフトウェアの提供にあたっては、紙のパッケージからダウンロードによる提供への切り替えを進め、資源の消費をおさえているとのこと。ほかにも、物理的な移動が少なくなるような仕組みの導入や、自動消灯、紙のリサイクルといった活動を推進し、継続した取り組みを進めていくとしている。
■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.com/jp/
( 石井 一志 )
2007/12/04 16:57
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