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日本HP小出新社長が会見-孫社長から学んだ“変化を引き起こす企業”を目指す


代表取締役 社長執行役員の小出伸一氏
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は12月12日、12月1日付で同社代表取締役 社長執行役員に就任した小出伸一氏の会見を開催。今後の経営方針などを語った。

 小出氏は、1958年福島県出身の49歳。1981年に青山学院大学経済学部卒業後、日本アイ・ビー・エムに入社。ITS・アウトソーシング事業担当の取締役や、取締役・金融システム事業部長などを務めた後、2005年に日本テレコム(当時)に入社。2006年に現在のソフトバンクテレコムに社名変更後は、代表取締役副社長COOを務めていた。

 今回の社長就任について小出氏は、「これまで競合企業として、そして顧客でありパートナー企業として日本HPを見てきた。私が見る日本HPは、外資系でありながらも、日本の文化・企業活動をきちんと考えて経営している企業と認識していた。また、(親会社である)Hewlett-Packard(HP)は、シリコンバレーのガレージから創業という長い歴史を持ちながら、多数の合併を繰り返しつつ、ダイナミックな経営、スピード間のある経営で、業界トップの規模にまで成長した企業とみている。今回、社長就任にあたり、HPの幹部とも話をしたが、抱いていたイメージに変わりはないと判断し、日本HPの舵取りをしたいと考えた」と述べた。

 日本HPが抱えている問題については、「就任からまだ間もないので、具体的にどの部分を変えていくかは明言できないが、クロスインダストリーに対してリーチできていない部分があるので、どのような戦略で攻めていくかこれから時間をかけて検討したい」と、日本HPの得意分野を見極めた戦略を立案すると説明。「日本HPのポートフォリオについても同様で、単純にサービスの割合が高いからさらに注力するというのではなく、時代や市場にあわせて慎重に検討したい」と、自社の強みを理解した上でサービス戦略などを組み立てる考えであるとした。

 パートナーとの関係については、「自社だけですべて行う時代ではないと考えており、パートナーとの協力関係は重要。ダイレクト販売およびパートナー経由での販売についても、きちんと見極めて売りわけていきたい。特にサーバー製品に関しては、ハード中心の販売から、キーとなるアプリケーションやソリューションを組み合わせた売り方を目指したい」とした。

 今後の日本HPの方向性については、「顧客企業の経営に近いところで役に立つ企業となりたい。顧客が困ったり何かしたいと考えたときに、一番に声をかけてもらえる企業を目指す」と、顧客が求めるソリューションを提案できる能力を持つ企業としていく考えを示した。また、顧客のニーズに対応できるためにはスピード感のある経営が重要と述べ、「変化に対応できるだけでなく、変化を引き起こす発信型の企業を目指す」と、一歩先を行く企業へ発展させたいとした。

 「IBM時代には、(米IBM元会長の)ガースナー氏から選択と集中を学んだ。また、ソフトバンクテレコム時代には、(ソフトバンク社長の)孫氏から変化を起こす側の経営を学んだ。特に短期間ではあるが、孫氏の若手の声をよく聞き、それを元に革新的な戦略を立案する姿勢は興味深かった」と述べ、両氏から学んだ経営スタイルを日本HPでも活かしていく考えを示した。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/

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( 福浦 一広 )
2007/12/12 13:45

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