インターネットおよびモバイル向けのマーケティングソリューションを提供する豪BlueFreewayが、2007年11月に日本法人のブルーフリーウェイ株式会社を設立。日本法人社長には、前レッドクルーズ代表取締役社長の増田勇氏が就任した。オーストラリアでの起業後、わずか3カ月で上場を果たすなど、急速に成長する同社の特長、および日本市場での展開について、BlueFreeway CEOのリチャード・ウェブ氏と増田氏に話を伺った。
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BlueFreeway CEOのリチャード・ウェブ氏
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―BlueFreewayの事業内容を簡単に説明していただけますか?
ウェブ氏
弊社は、インターネットやモバイルなどを対象としたインタラクティブ広告を、シングルコンタクトでグローバルに展開できるサービスを提供しています。インターネットで広告展開する場合、メール広告やモバイルなどサービスごとに対応する相手が異なる場合がほとんどです。この窓口を一元化できるのが弊社の基本サービスです。広告主にとっては、同じ担当者にリクエストするだけで、さまざまなサービスに対して広告を出すことができます。このサービスを世界各国で展開できるのも特長です。
また、「blu.」というWebサービスも開始しました。blu.は企業のマーケティング担当者にとって、一元化された窓口になります。blu.にログインすることで、各サービスを一元的に管理できるほか、マーケティング担当者向けの情報などを得ることができます。また、blu.に用意されているSNSの機能を利用して、他社や特定ユーザー間での情報共有も可能です。
―設立の経緯を教えてください。
ウェブ氏
BlueFreeway設立前に、私は企業のマーケティング責任者に対し、ある質問を投げかけました。それは、TVや雑誌、インターネットなど、さまざまなメディアが存在する中で、オンラインメディアへの出稿比率が10%なのはなぜなのかというものです。実際、メディア接触の30~35%がインターネットやモバイルなどとなっているのに、10%と低いことを不思議におもったからです。
その結果、メディアごとに個別に対応しなければいけなかったり、グローバルニーズへの対応が難しいなど、複雑さを挙げる人が大勢いました。消極的な意見では、未知のメディアに投資するよりも既存のメディアにフォーカスしたほうが楽という意見もあります。
こうした課題を解決するには、一つの窓口ですべてを完結できることが重要です。また、翻訳なども含めたグローバル対応も必要です。そのほか、サービスごとに担当者が異ならないよう、シングルコンタクト環境が必要でもあります。
しかし、これらを提供しているサービスは存在していませんでした。そこで、インタラクティブ広告で必要とするものを1社で提供できる会社を設立することにしました。1から作り上げるという方法もありますが、既存の会社を買収する方法を選びました。資本関係のある会社は25社です。そのうち、10社が広告代理店です。
2006年10月に会社を設立し、12月にはオーストラリア証券取引所に上場しました。現在、アフリカ大陸以外のすべての大陸で事業展開しています。昨年11月には日本法人も設立しました。
現在、Coca-Cola、Nestle、Visa、American Express、P&G、Johnson & Johnson、Audiなどのグローバル企業を含む、900社のクライアントを抱えています。売上もこの1年で1億ドルを突破しました。
―BlueFreewayという社名はどのような理由で付けられたのでしょうか?
ウェブ氏
freewayは、双方向のコミュニケーションをイメージして選びました。また、freeという言葉にはオープンソースというニュアンスも含めています。blueはなんとなく付けたんですが(笑)、オーストラリアで青色がハッピーなどのイメージがあるので選んだといっていいでしょう。
―どのようなサービスが利用可能なのでしょうか?
ウェブ氏
メールマーケティングやキャンペーン管理、BI、アフィリエイト、ホスティングサービス、CMSなどがあります。
blu.ではメールマーケティングなど4つの製品が利用可能です。6月までには、BIやアフィリエイトなど10の製品が利用できるようになります。
―blu.の特長について教えてください。
ウェブ氏
先ほども説明しましたが、blu.は、マーケティング担当者のためのWebサイトといえるものです。われわれが提供しているサービスが利用できるのはもちろん、SNSを利用してマーケティング担当者間で情報交換を行えるのが特長です。サービスは有料で提供していますが、SNSに関しては無料で利用できます。3週間前にスタートしましたが、現在1200ユーザー、32カ国で利用されています。日本語版については、現在作成中です。
―非常にユニークなビジネスモデルですが、現実には各国ごとに既存の広告代理店の力が強いようにおもわれます。それら既存の広告代理店に対する強みはなんでしょうか?
ウェブ氏
インターネットやモバイルといったインタラクティブ広告にフォーカスしている点がひとつ。また、グローバル展開している点も強みです。そのほか、blu.というシングルコンタクト可能なプラットフォームを持っている点が強みではないでしょうか。
インタラクティブ広告で比較されるのは、MicrosoftやGoogleです。BlueFreewayとの大きな違いは、彼らはメディアでもあるがわれわれはそうではありません。あくまでも中立的な立場でサービスを提供しており、メディアと競合するつもりはありません。実際、広告管理ツールなどメディア向けのツールも用意しています。
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ブルーフリーウェイ代表取締役の増田勇氏
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―日本法人に期待することは何でしょうか?
ウェブ氏
ブロードバンドの普及やモバイル市場の発展など、日本市場には非常に大きな期待を持っています。また、SNSも好意的に受け入れられているようですので、blu.の展開も期待しています。まずは、ローカライズを早く進めていきたいですね。売上に関しては、大きなパーセンテージを占めるよう期待しています。
増田氏
日本企業のマーケットは拡大しており、大企業だけでなく、中小企業でも海外に進出する例が増えています。(BlueFreewayの特長であるグローバル対応など)他社ではできない利点を活かして、海外展開する企業を後押ししたいですね。クライアント数をいくらにするといった数値的な目標よりも、他社ができない部分を活かして伸ばしていくつもりです。
■ URL
豪BlueFreeway
http://www.bluefreeway.com/
( 福浦 一広 )
2008/01/07 18:20
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