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国内テープストレージ市場、2007年上半期はマイナス成長-IDC Japan調査

ミッドレンジではLTOが好調、デファクトスタンダード的な位置を確立

 IDC Japan株式会社は1月8日、国内テープストレージ市場における2007年上半期の実績と、2011年までの予測を発表した。

 それによると、テープストレージとテープオートメーションをあわせた2007年上半期の売上額は、前年同期比3.9%減の258億9500万円。このうちテープドライブの売上額は同8.6%減の93億100万円、出荷台数も同11.6%減の5万74台にとどまった。ただし、全体として市場規模が縮小する中、LTOにけん引されたミッドレンジ市場が唯一プラス成長を達成しており、LTOはミッドレンジテープドライブ出荷台数の90.7%、売上額の90.9%を占めるなど、同市場でデファクトスタンダード的な位置を確立したとしている。

 また、2007年上半期のテープオートメーションの売上額は前年同期比1.0%減の165億9400万円、出荷台数は同2.2%増の8804台となった。売上額の減少が小幅にとどまった理由としてIDC Japanでは、大幅な減少を続けていたエンタープライズ市場の売上額が前年同期比1けた減にとどまったこと、ミッドレンジ市場が順調に成長していることなどを挙げている。そのミッドレンジ市場では、前年やや減速感のあったLTOオートローダーの出荷台数が回復基調だったほか、100巻以下の小型ライブラリの出荷が好調だったという。

 一方で、国内テープストレージ市場売上額における2006年から2011年までの年平均成長率(CAGR)は、マイナス2.3%の予測。内訳は、テープドライブがマイナス3.7%、テープオートメーションがマイナス1.5%と、いずれの分野でもマイナス成長の予測となった。ただし、LTOを中心としたミッドレンジ製品については、テープドライブ、テープオートメーションともにプラス成長を見込んでいる。

 なおIDC Japanでは、国内企業においても、バックアップの取得方法がディスクベースへ急速にシフトし、テープストレージの位置付けが変わってきている点を指摘。同社 ストレージシステムズ リサーチアナリストの高松亜由智氏は、「テープストレージサプライヤーは、ディスクストレージシステムやVTS(バーチャルテープシステム)製品との連携をとり、ユーザーの投資をD2Dの先のT(Tape)までつなげることが重要。そのためには、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアやサービスを組み合わせたソリューション展開を強化すべきである」と分析している。



URL
  IDC Japan株式会社
  http://www.idcjapan.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20080108Apr.html


( 石井 一志 )
2008/01/09 15:15

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