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「2008年は“エコプロセッサ”の普及に注力」、インテル吉田共同社長


代表取締役共同社長の吉田和正氏
 インテル株式会社は1月16日、代表取締役共同社長の吉田和正氏から2008年の戦略を説明する報道向けイベントを開催した。

 冒頭で吉田社長は、1月15日(米国時間)に発表された米Intelの2007年度決算発表に言及。2007年度第4四半期は売上高が過去最高となる107億ドル(前年同期比10.5%増)を記録するなど、好調に推移したとした。営業利益も同105%増の30億ドルと、経営合理化の推進などによって、売上高の成長率を上回ったという。

 このように業績が好調に推移する中で、2008年に向けてのトピックとして吉田社長が最初に取りあげたのは、45nmプロセスで作られた新しいプロセッサ群について。開発コードネーム「Penryn」と呼ばれていたこのプロセッサでは、ハフニウムベースのHigh-k(高誘電率)材料とメタルゲートをトランジスタに採用しており、前世代の65nmプロセス製品と比べて、よりいっそうの省電力化を達成している。吉田社長は、「1月8日にメインストリームの16製品を発表し、45nmへの移行を積極的に展開できる32製品がそろった。性能を犠牲にせず、電力効率に非常に優れた“エコプロセッサ”の価値をユーザーに説明して、普及に力を入れたい」と述べ、2008年も積極的に展開する意向を示した。

 またインテルでは、プロセスの微細化と新マイクロアーキテクチャの導入を1年ごとに行うチクタク戦略を掲げており、2008年は新アーキテクチャの順番。吉田社長はこの新アーキテクチャ「Nehalem(開発コード名)」についても言及し、「大きなインパクトがあったCoreマイクロアーキテクチャと同様の革新、インパクトを起こしていきたい」とする。Intelでは2008年に59億ドルの研究開発投資を予定しており、引き続き新技術の開発に力を入れていく考えだ。あわせて52億ドルの設備投資により、生産能力の増強も図るという。

 さらに半導体の展開だけでなく、プラットフォームにも引き続き注力する。特に企業向けのvProについて、吉田社長は「企業にとってはセキュアで運用性に優れたIT環境が引き続き大事であり、そうした環境を、コストをかけずに導入できるvProは企業にとって期待されているブランドの1つ」とコメント。「こちらの面でも大きく貢献できればと思っている」との意気込みを示した。

 一方、注目が高まる環境問題について、「今年もさまざまな形でハイライトされるだろう」とした吉田社長は、「日本の技術を活用して地球温暖化へ貢献する中で、インテルも積極的に取り組む」と明言。45nmの“エコプロセッサ”をきちんと普及させる努力をするとしたほか、データセンター全体の電力効率を高める「グリーングリッド」の取り組みにも積極的にかかわり、「省エネ化の技術実用化を進めていきたい」と述べている。

 「2008は飛躍の年と考えている。会社の売り上げだけではなく環境問題などで役に立つ会社にしていく。さまざまな分野で業界のリーダーと一緒にチームワークで取り組みながら、日本の社会を豊かにしていく」(吉田社長)。



URL
  インテル株式会社
  http://www.intel.co.jp/

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( 石井 一志 )
2008/01/16 15:25

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