Enterprise Watch
最新ニュース

日本AMD、2008年は「“グリーンIT”でリーダーシップを発揮する」

不具合対応のクアッドコアOpteronは第1四半期に出荷

代表取締役社長の森下正敏氏
 日本AMD株式会社は1月21日、2008年の事業方針に関する記者説明会を開催。エンタープライズ・コンシューマの両分野でのシェア拡大のほか、グリーンITでのリーダーシップを発揮する考えを示した。

 同社代表取締役社長の森下正敏氏は、2007年を振り返り、「(2006年11月に買収した)ATIの統合によるプラットフォームベースのビジネスモデルなど、新生AMDを構築した実り多い年だった」と説明。また、東芝やNECにおいて、AMDプロセッサを採用したPCが出荷されたり、GPU分野での採用が拡大するなど、ビジネスが拡大した年であったと述べた。

 直近の2007年第4四半期の業績について、同社マーケティング本部 本部長の吉沢俊介氏は、「売上高は、直前期比8%増の17億7000万ドル。プロセッサの総出荷数も過去最高を記録するなど順調に推移している。特にサーバー分野では、直前期比で22%増と、クアッドコアOpteronのエラッタがあったものの、大きく伸びている点を強調した。ただし、ATI買収に伴う無形固定資産の減損損失の影響により、16億7800万ドルの経常損を計上しているが、吉沢氏は「現金に関係ないものであり経営面では影響はない」とした。

 2008年について森下氏は、「次世代プラットフォームソリューションの立ち上げ」「新規顧客の獲得」「クアッドコアOpteronのシェア拡大」「グリーンITでのリーダーシップ」「コマーシャル市場でのシェア拡大」の5つを重点戦略にすると述べた。


グリーンITへの取り組み状況
 グリーンITへの取り組みについて、同社エンタープライズビジネスディベロップメント本部長 兼 グリーンIT推進室 室長の多田和之氏は、「AMDでは2006年からワット性能を訴求しており、また“AMD Green”と題した自社でのグリーンIT活動を展開している」と、グリーンITに積極的に取り組んでいると説明。また、同社などが取り組んでいる途上国向けのOLPC(One Laptop per Child)パソコンに触れ、「OLPCは低価格なだけでなく、消費電力がわずか2ワットという特長もある」と、省電力にも対応可能であると紹介した。

 そのほか、2007年2月に発足した、データセンターの消費電力問題に取り組むNPO「The Green Grid」を通じた活動を強化することで、サーバー・データセンターでの電力消費削減に貢献する考えを示した。「経済産業省が推進するグリーンITイニシアティブへの参画など、国内での活動も支援している。また、Green GridとグリーンITイニシアティブとの連携についても、後方支援をしていく」(多田氏)と説明した。

 なお、設計上の不具合により出荷が遅れているクアッドコアOpteronに関しては、「改良したB3シリコンはFab.から上がってきており、現在評価中。2008年第1四半期中には2.3GHz版を、第2四半期には2.5GHz版を出荷する予定」(吉沢氏)と述べた。



URL
  日本AMD株式会社
  http://www.amd.co.jp/

関連記事
  ・ 日本AMD、クアッドコアOpteron“Barcelona”を正式発表(2007/09/11)
  ・ データセンターの電力問題に取り組む「Green Grid」が活動開始(2007/02/27)


( 福浦 一広 )
2008/01/21 16:00

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.