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米Red Hatのジム・ホワイトハーストCEO
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レッドハット株式会社は1月24日、2008年1月1日付けで米Red HatのCEOに就任したジム・ホワイトハースト氏の来日記者会見を開催した。
Red Hat以前はデルタ航空に在職し、COO(最高業務責任者)として、Operations、Sales and Customer Service、Network and Revenue Management、Marketing and Corporate Strategyといった業務を担当していたホワイトハースト氏。簡単な自己紹介のあと「航空会社でもミッションクリティカルなITの予算は大きい。そこでIT戦略を立てたりしていたのだが、そこで強く感じたのは顧客サービスの重要性。だからこそRed Hatでは顧客にとって何がベストかを一番に考えながら仕事を進めていきたい」と抱負を述べた。
Red Hatの魅力については、「オープンソースソフト(OSS)のリーダーであること。OSSは開発に最適な形式、全体の開発コストを大きく下げることができる。品質でもバグの数は少なく、中でもRed Hatは特にユニークなOSSである」と発言。さらに「わたし自身、長年のFedoraユーザーだから、こうしてRed Hatに加われることは非常にうれしい」とも話す。
現在Red Hatは大きく分けて、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)などのOS、ミドルウェアのJBoss、Red Hat Exchangeサービスなどの事業を展開しているが、「当面はOSとミドルウェアに注力する」という。「アプリケーションという選択肢もあるが、OSとミドルウェアでRed Hatとしてまだまだやらなければならないことがある。RHELとJBossは技術・販売チャネルともにうまく連携が取れている。これをさらに発展させることをまずは目標にしたい」。
このためには、「いかにユーザーコミュニティを発展させるか、いかにコミュニティと開発を絡めるかが重要。また、顧客視点でビジネス展開するためにはパートナー協業にさらに注力する必要がある」とする。「Red Hatは現在でも顧客満足度の高い企業だが、エンドユーザーに対して万が一にも、窓口の不透明さや販売代理店とRed Hat間での意見の違いなどがあってはならない。パートナー経由でビジネスを行っていると、こうした点が複雑になりがちだが、顧客と話して、パートナーと話して、サービス品質をともに上げていくことが重要になるだろう」。
無償版Linuxについては、「Linuxを試す機会となるので、Enterprise Linuxにとっても良いこと」と発言。先日の米SunによるMySQL買収に関しては、「Sunの狙いがまだ具体的には分からないのだが、コンポーネントの統合が進めば、やはりOSSにとってはいいことだ」と述べている。
その上でRed Hatの今後の買収戦略を問われると、「何か足りないものを埋めるための買収なら有り、単に企業を大きくするためなら、ない」と答弁。20%以上の成長率・利益率を達成し非常に順調なRed Hatだが、「さらにOSSのインパクトを考えればこの数字以上の価値を提供していると自負している。我々がめざすのは、大きい企業になることではなく影響力の大きな企業になることだ」と企業理念を語った。
■ URL
レッドハット株式会社
http://www.jp.redhat.com/
( 川島 弘之 )
2008/01/24 14:35
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