Enterprise Watch
最新ニュース

パケッティア、アプリケーション配信の新戦略ビジョンを発表

新戦略を実現する新製品群も投入

 パケッティアジャパンインクは1月29日、ワールドワイドで推進する新たな戦略ビジョン「Intelligence Service Assurance」を発表した。あわせて、同戦略ビジョンを具現化するための次世代ソリューションとして、統合的なアプリケーション/WAN管理プラットフォーム「IntelligenceCenter」とマルチギガビットのアプリケーション・パフォーマンスの監視・制御ソリューション「PacketShaper Talon TC30」の2製品を投入することを発表した。


米Packeteerセールス&マーケティングVPのレイ・スメッツ氏
 今回発表した新戦略ビジョン「Intelligence Service Assurance」は、ネットワーク上のすべてのユーザーに対し、いつでも、どこにいても、業務上重要なアプリケーションを優先順位にあわせて高い品質とパフォーマンスで配信することを目指すもの。これによって、企業のIT部門は、エンド・ツー・エンドのアプリケーション配信を、インテリジェントに認識、識別、測定、最適化、制御することが可能となる。

 米Packeteerセールス&マーケティングVPのレイ・スメッツ氏は、「現在、企業では、アプリケーション、システム、ネットワークといったITインフラに多大なる投資を行っている。一方で、ITインフラの複雑化も進んでおり、どこかで障害が発生した場合、すべてのサービスが停止してしまう危険性もある。そして、長期間サービスが停止した場合、ITインフラへの投資がムダになるだけでなく、ビジネスのための価値創造もできなくなり、企業にとって大きな損害を与えることになる。今回発表した新戦略ビジョンは、こうした複雑化するITインフラをインテリジェントに最適化し、中断のないエンド・ツー・エンドのアプリケーション配信を実現するものであり、早期のビジョン達成に向けて、今後集中的に取り組んでいく」と述べている。

 この「Intelligence Service Assurance」ビジョンを実現するための次世代ソリューションとなるのが、今回同時発表した「IntelligenceCenter」と「PacketShaper Talon TC30」、および今後数カ月以内に発表されるMobilitiクライアント・ソフトウェアの新バージョン「Mobiliti8」の3製品で、これに加え、同社主力製品「PacketShaper」の小規模拠点向けコンパクトモデル「PacketShaper PS900」も今後数カ月以内に発表する計画も明らかにした。


パケッティアジャパンインクの高山雅人シニア・コンサルタント
 「IntelligenceCenter」は、新戦略ビジョンを実現する製品群の中心に位置づけられるソリューションで、インテリジェントなWANアプリケーション配信を可能にする新しい統合集中管理システムとなっている。アプリケーション・サービス・レベルを追跡し、アプリケーション・パフォーマンス監視機能を提供するとともに、一つのダッシュボードからパケッティア・ソリューションすべてを管理することができる。グラフィカル表示でわかりやすく、カスタマイズが可能なレポート機能を利用することで、企業やサービス・プロバイダは、分散されたネットワーク全体におけるアプリケーションすべてを容易に監視、配信、最適化できるようになる。

 また、Web 2.0対応のシングル・サイン・オン・インターフェイスを提供しており、簡易化されたポータルにより、パフォーマンス監視およびリポート機能、ポリシー実施、パケッティア製品のコンフィギュレーションモジュールに容易にアクセスすることが可能。さらに、データセンター・コアから個々のリモートユーザーに至るまで、トランザクション、音声、ビデオ、大容量の転送ファイルなどのパフォーマンスと品質をインテリジェントに識別および監視することができ、最大2500台のパケッティア・アプライアンスを同時に一元管理することも可能となっている。

 パケッティア ジャパン インクの高山雅人シニア・コンサルタントは、「IntelligenceCenter」の今後の展開について、「新戦略ビジョンのIntelligence Service Assuranceを実現するために、パケッティア製品を管理・マネージメントするだけでなく、サードベンダーの製品も含めたさらなる統合化を実現できる機能を拡張していく」としている。

 「IntelligenceCenter」は、2月から販売代理店を通して出荷を開始する予定。価格はオープン価格で、管理するデバイス数によって料金設定が異なる。


IntelligenceCenterのダッシュボード機能 IntelligenceCenterのビジョン

PacketShaper Talon TC30

PacketShaper Talon TC30のパケットフロー

PacketShaper Talonのロードマップ
 「PacketShaper Talon TC30」は、同社のハイエンド製品「PacketShaper 10000」に接続して使用するモジュール型アプライアンスで、マルチギガビット・ネットワーク・トラフィックを監視・制御する新型高速プラットフォームとなる。Cavium Networksと共同開発した新しい高速製品アーキテクチャを採用した第一弾製品で、インターネットやWANにおいて最大6Gbpsのスループットを実現する。パケッティアのアプリケーション・インテリジェンスとWAN最適化エンジンを、マルチギガビットのスループットで提供することにより、ネットワーク・コアから配信されるアプリケーションおよびサービスのさらなるパフォーマンス強化を図ることが可能となる。

 具体的には、大容量リンクやコア・ネットワークで伝送されるトラフィックをリアルタイムで可視化および制御できるほか、クリティカルなネットワーク上でどんなアプリケーションが動作しているかを的確に把握できるため、ネットワーク管理者は、多数の競合するアプリケーションやユーザーの需要を管理および優先順位付けすることが可能となる。また、大規模のLANやWANリンクに対して、帯域使用ポリシーをインテリジェントに実施することで、主要アプリケーションやサービスの最大限のパフォーマンスレベルを確実に維持するとともに、不要なトラフィックによってネットワーク・リンク上で輻輳が発生しないように防止する。

 さらに「PacketShaper Talon TC30」は、「IntelligenceCenter」と連携動作することができ、トランザクション・アプリケーション、コンバージェンス・アプリケーション、大容量アプリケーションなど、すべてにおいてSLAを管理するとともに、帯域消費の大きい音声およびビデオ・トラフィックに対しても最高品質の配信を可能にする。これにより、大容量リンクがどのように使用されているかを新たな水準で把握できるようになるため、消費ベースでの経常費用の妥当性を確認し、ネットワーク・インフラ費用を正当化することが可能となる。

 「PacketShaper Talon」の今後のロードマップとしては、「まずファーストステップでは、IntelligenceCenterと連携し、マルチギガビットのスループットを実現した。次のステップでは、10Gbpsの次世代プラットフォームに対応するなど、さらなる高速化を図るとともに、アプリケーション可視化やQOSなど、よりインテリジェントな機能も盛り込んでいく」(高山シニア・コンサルタント)方針。

 「PacketShaper Talon TC30」は、4月から販売代理店を通して出荷を開始する予定。価格は450万円から。


PacketShaper Talon TC30の概要 PacketShaper Talon TC30の外観 PacketShaper Talon TC30の構成およびアーキテクチャ


URL
  パケッティア ジャパン インク
  http://www.packeteer.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.packeteer.co.jp/news/releases/20080129-01/index.html
  http://www.packeteer.co.jp/news/releases/20080129-02/index.html
  http://www.packeteer.co.jp/news/releases/20080129-03/index.html


( 唐沢 正和 )
2008/01/29 17:02

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.