株式会社日立製作所は2月5日、2007年度第3四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比9%増の2兆7071億円、営業利益は前年同期比27%増の778億円、税引前利益は前年同期比28%増の801億円、当期純利益は前年より113億円増の125億円となった。
4月から9月までの9カ月間の累計でみると、売上高は前年同期比10%増の7兆9875億円、営業利益は前年同期比145%増の1995億円、税引前利益は前年同期比144%増の2161億円、当期純利益は前年より763億円改善したもののマイナス5億円となった。
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執行役専務の中村豊明氏
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情報通信システムは、売上高が前年同期比8%増の6272億円、営業利益が前年同期比120%増の142億円となった。9カ月間の累計でみると、売上高が前年同期比9%増の1兆8817億円、営業利益が前年同期比31%増の267億円となった。ソフト部門が堅調に推移したほか、アウトソーシング部門や金融向けソリューション事業も好調に推移し、累計の売上高が前年同期を上回った。ハードウェアもディスクアレイサブシステム、ATM、HDDなどの伸張により、前年同期を上回っている。第3四半期の営業利益では、HDDの改善によりハードウェアが黒字化したことが大きく貢献したとしている。
HDDの改善について、執行役専務の中村豊明氏は、「BRICsを中心とした需要の高まりにより、2.5インチと3.5インチデスクトップ用の伸びが大きかった。これまでは市場環境がよくても業績に反映できていなかったが、7~12月は業績に反映できた。要因としては、大容量新製品をタイムリーに出荷できたことと、人員整理の効果があったことなどがあるのではないか」と説明する。
情報通信システムにおける内訳は、ソフトウェア/サービスの売上高が前年同期比12%増の2750億円。そのうち、ソフトウェアが前年同期比5%増の424億円、サービスが前年同期比14%増の2326億円。ハードウェアの売上高が前年同期比4%増の3522億円。そのうち、ストレージが前年同期比8%増の2265億円、サーバーが前年同期比2%減の190億円、PCが前年同期比30%減の89億円、通信ネットワークが前年同期比5%減の296億円、その他が前年同期比4%増の682億円となった。なお、ストレージソリューション事業(ハードディスクドライブ事業を除く)は、前年同期比2%増の950億円となっている。
電子デバイスは、売上高が前年同期比3%減の2962億円、営業利益は前年同期比33%減の102億円。9カ月間の累計でみると、売上高が前年同期比1%減の9395億円、営業利益は前年同期比9%減の360億円。日立ハイテクノロジーズの液晶関連製造装置等の売上減により、営業利益の大幅減となっている。
デジタルメディア・民生機器は、売上高が前年同期比11%増の4115億円、営業損益がマイナス150億円。9カ月間の累計でみると、売上高が前年同期比1%増の1兆1395億円、営業損益がマイナス658億円となった。薄型テレビは出荷台数は増加したものの、価格下落の影響を受け、123億円のマイナスとなった。
電力・産業システムは、売上高が前年同期比23%増の8296億円、営業利益が前年同期比21%増の333億円。9カ月間の累計でみると、売上高が前年同期比24%増の2兆4279億円、営業利益が970億円となった。
高機能材料は、売上高が前年同期比3%増の4825億円、営業利益が前年同期比13%増の409億円。9カ月間の累計でみると、売上高が前年同期比6%増の1兆4161億円、営業利益が前年同期比6%増の1056億円となった。
物流およびサービスは、売上高が前年同期比1%増の3321億円、営業利益が前年同期比78%増の58億円。9カ月間の累計でみると、売上高が前年同期比1%増の9509億円、営業利益が前年同期比47%増の166億円となった。
金融サービスは、売上高が前年同期比18%減の1071億円、営業利益が前年同期比14%減の54億円。9カ月間の累計でみると、売上高が前年同期比16%減の3295億円、営業利益が前年同期比17%減の183億円となった。
国内・海外別に売上高をみると、国内売上高が前年同期比6%増の1兆5097億円、海外売上高が前年同期比12%増の1兆1974億円。9カ月間の累計でみると、国内売上高が前年同期比6%増の4兆5051億円、海外売上高が前年同期比15%増の3兆4823億円となった。海外については、中国を中心としたアジアおよび欧州が伸長。この結果、海外売上高の比率は、前年同期比で2%増の44%となった。
なお同社は、今回の結果を受けて通期連結業績の修正を発表。売上高は3000億円増の10兆8000億円、営業利益は100億円増の3000億円、税引前利益は100億円増の3100億円、当期純利益は300億円減の100億円。デジタルメディア・民生機器部門の薄型テレビ事業において、構造改革費用として300億円を割り当てることから、当期純利益を下方修正したとしている。
■ URL
株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2008/02/0205.html
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2008/02/0205a.html
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