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大塚商会、2007年度連結決算は5期連続の増収増益で最高益更新


大塚裕司社長
 株式会社大塚商会は2月5日、平成19年12月期連結決算を発表した。売上高は対前年同期比8.3%増の4694億8100万円、営業利益は14.9%の300億5100万円、経常利益は15.2%増の305億2000万円、当期純利益は20.7%増の188億5600万円となり、5期連続の増収増益で過去最高益を更新した。

 単体では、売上高は8.6%増の4376億1600万円、営業利益は14.1%増の277億5900万円、経常利益は13.9%増の283億3400万円、当期純利益は26.2%増の183億3400万円。

 大塚裕司社長はこの業績に対し、「営業利益、経常利益ともに300億円を超え、上方修正した目標値をクリアすることも実現した」と納得できる業績となったことを強調した。


売上高、利益ともに順調に成長していると強調 経常利益の四半期推移を見ると、売上高同様に各四半期ともにほぼ前年と同様の傾向で推移

 要因としては、前期、前々期同様、企業のIT投資が引き続き堅調に推移。ITを活用した経営改革ニーズが引き続き継続していることや、法令・公的手続き電子化が進展、システムのアップグレードやインフラの見直し、情報セキュリティ対策の強化などの需要が引き続き続いていることを揚げている。

 ただし、「前期後半から、今年度年初においては原油高、原材料費高騰などの影響で市況が少し変化してきていることを感じる」(大塚社長)と最近になって市況が不安定になってきているとの見方も示している。

 その中で大塚商会がグループで目指すビジネスとして、

 ・商品単体ではなく、複合システムと総合提案による競争力の向上
 ・内部統制に関連するシステム提案
 ・オリジナル顧客管理システム「SPR」の機能強化と営業支援センター活用による営業効率の提案
 ・プロジェクト管理強化による生産性向上

 という4点が成功した成果が業績に反映したとしている。

 なお、連結、単体ともに当期純利益が前年と比較して大幅伸張しているが、これは特別利益42億円の影響による突発的な要因という。


セグメント別売上高はSI、S&Sともに高成長率を維持した

単体の顧客企業の年商別売り上げ構成では、ほぼ前年と変わらない状況に
 セグメント別売上高では、システムインテグレーション事業が2797億5300万円、「たのめーる」を含むサービス&サポート事業が1873億5800万円、その他が23億7000万円となった。

 単体での顧客企業の年商別売上構成は、年商10億円未満企業が28.17%、10億円-100億円未満の企業が28.23%、大企業が43.6%。

 「昨年度はすべてのレイヤーで売上額を伸ばすことができた。今年度については不安定要素があるものの、昨年はバランスよい構成となった」(大塚社長)

 単体での顧客の業種構成としては、全業種ともに売上額が増額したというものの、サービス業のウエイトが拡大し、30.83%をサービス業が占めるまでになった。

 単体での重点戦略事業の個別売り上げとしては、サプライ製品などの事業MROが対前年同期比14.6%増の862億7000万円と大幅に伸張したものの、業務パッケージソフト「SMILE」の売り上げはバージョンアップの遅れなどの影響で3.0%減の69億3800万円となった。

 ハードウェア販売においても、複写機はカラー複写機の伸びを受け9.8%増の306億1500万円となったものの、サーバーは12.5%減の357億4100万円、パソコンも12.0%減の4815億200万円に落ち込んだ。

 「パソコンとサーバーの販売実績が減少したのは、2006年度に大型商談があった影響もあるが、Windows Vistaが発売されたものの、昨年度段階では様子見のユーザーがまだ多く、サーバーはサーバー統合、ストレージへの移行の影響もあった」と大塚社長は説明している。


単体の詳細セグメント別売上高では、業務ソフト「SMILE」の開発遅れなどの影響を受け、受託ソフト事業の成長率が他の事業に比べて低くなった 重点戦略事業の個別状況では、サーバー、パソコンともに前年比2ケタ減となった 「たのめーる」を含むMRO事業の売上高は、たのめーるの事業拡大とともに成長

 2008年12月期の業績予測としては、連結では売上高は4890億円、営業利益は309億円、経常利益は312億円、当期純利益は160億3000万円。

 単体では、売上高は4570億円、営業利益は286億円、経常利益は291億円、当期純利益は151億円。

 連結売上高内訳では、システムインテグレーション事業が2806億円、サービス&サポート事業が2062億円、その他の事業が22億円。

 大塚社長は昨年度末から出ている景気の不安定感があることを懸念材料としてあげ、「73万社の顧客に向け、人事や経理などオフィス内の様々な部門がまとめてお付き合いができる体制を目指し、当社の大きなメリットであるITワンストップサポートの強みを発揮させていく。その上で、先手必勝で新規ビジネス改革は進めるし、パソコンやサーバーといった昨年は不調だった製品も、Windows Vistaと新しいサーバー製品の組み合わせ販売が可能となり、2000年に導入したシステムのリプレースが見込めるといった明るい材料はある。しかし、市況を見ていると、売上高目標は慎重に4%台の成長率を目標としたい」と慎重に目標値を決定したと説明した。

 ただし、重点事業の販売目標については業績見通しよりも、高めの数字を設定。MROで1000億円売上高を見据えた13.6%増の980億円、SMILEは0.9%増の70億円、ドキュメントソリューションのODS21事業で12.2%増の430億円、セキュリティ事業「OSM」で25%増の500億円、複写機で1.3%増の310夫君、サーバーで1.6%増の363億円、パソコンで1.6%増の4890億円を目標とする。

 大塚社長は、「重点事業の目標金額は、業績見通しとは合わないが、これくらいの高い目標に向けて活動したい」と景気の不安定要素を考慮しながらも、個別事業ではさらなる成長を目指すことを強調した。


今年度売上高利益は景気の不安定要素を見越して慎重なものに 今年度セグメント別売上高計画 重点事業については全体目標よりも強気の目標が掲げられている


URL
  株式会社大塚商会
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/
  平成19年12月期 決算
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/corporate/release/2008/080205.html


( 三浦 優子 )
2008/02/06 00:00

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