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SAPジャパン、2008年はパートナーエコシステム強化と日本化に注力


代表取締役社長兼CEOの八剱洋一郎氏
 SAPジャパン株式会社は2月6日、戦略説明会を開催。同社代表取締役社長兼CEOの八剱洋一郎氏が登壇し、2007年の実績と2008年の活動方針を説明した。

 2007年の総売上は、711億7000万円と前年比で14%の成長となった。そのうち、ソフトウェア関連の売上は539億3000万円と前年比で21%の伸びとなった。この成績について、八剱氏は、「(前社長の)エンスリン氏が3年間かけて残した実績といえる。ソフトウェア関連の売上は、グローバルが17%の成長であるのと比べて、日本市場が上回った。特にライセンスの伸びが大きく、ソフトウェア関連の売上を大きく引っぱった」と説明する。

 ソフトウェア関連が好調な要因について、八剱氏は「大企業では導入が済んだという指摘を受けるが、実際は新規ユーザーの半数が大企業。グローバルで標準化が進んでいる業種では、ほぼ導入が済んでいるものの、それ以外の業種ではまだまだ浸透していないという理由があるため。これは他の先進国ではみられない傾向」と、日本企業独自の理由により、引き続き同社製品の導入が進んでいると説明。「また、バージョンアップも比較的順調」と、バージョンアップによる需要も要因のひとつとした。


AIRを利用した例。地域別の状況を視覚的に表現可能。また、従来型の表形式でも表示できるなど、さまざまな表現方法に対応できると紹介
 そのほか、2007年のトピックとしてあげたのが、エンタープライズSOAなどをきっかけとした他社とのエコシステム構築事例。具体的には、パートナー企業6社において専任組織が用意されていることや、Microsoft OfficeをSAPアプリケーションのフロントエンドにする「Duet」や、Adobe AIRなどとの連携ソリューションなどを行っていることを紹介。「昨年開催したユーザーカンファレンスのSAPPHIREでデモを行ったが、AIRとSAPをつなぐことで視覚的な表現力が非常に高められる」と、ITに不慣れな経営者にもとっつきやすいインターフェイスを構築するメリットなどを説明した。


 2008年については、パートナーエコシステムの推進、顧客視点でのビジネスの展開、エンタープライズSOAなどビジネス基盤のさらなる拡大にフォーカスすると説明。「日本のビジネスにさらに適応するには、お客さまが求めるソリューションを増やすことが重要。昨年にはカスタマーイノベーションセンターやCS経営推進室を設立するなど、お客さまの声を反映する体制を築いてきた。日本化は今後も重要なテーマであり、注力していく」と、日本のビジネスにあったソリューションを引き続き提供するとした。

 2007年9月に欧米で発表されたSaaSソリューション「SAP Business ByDesign」の国内での展開については、「中堅より下の層を狙ったもので、ニーズはかなりあるとみている。特に大企業の子会社などでニーズがあるとおもっており、非常に期待している。しかし、日本はクオリティにうるさい市場。拙速に商品化して評判を落とすのもよくないので、まずはパイロットケースで導入し、じっくりと評価していきたい」と、日本市場での投入時期は先になる予定とした。



URL
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.com/japan/


( 福浦 一広 )
2008/02/06 13:47

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