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マイクロソフト、IT Security Award 2008-監督賞など全問正解者4人を表彰


表彰式の様子

チーフセキュリティアドバイザの高橋正和氏
 マイクロソフト株式会社は2月14日、IT Security Award 2008の表彰式を行った。IT Security Award 2008は、セキュリティに従事しているITエンジニアを対象に、知識の発揮と表彰の場を設けることで、ITセキュリティの重要性を広く伝えることを目的に開催したもの。内閣官房長官を議長とする情報セキュリティ政策会議によって制定された、2月2日の「情報セキュリティの日」に関連した取り組みのひとつにも位置づけられている。

 2007年12月14日から2008年1月31日まで、同社サイト内に、セキュリティに関する問題をクイズ形式で出題。10問の設問に対して、全問正解した人をAWARD受賞者として、その中から経営者やITマネージャー対象とした「監督賞」、中堅のITエンジニアを対象とした「主援賞(主演賞)」、1年未満の新人ITエンジニアを対象とした「新人賞」を用意。さらに、「審査員特別賞」を用意し、それぞれ1人ずつを表彰した。

 それぞれの賞は、オスカー賞などを参考にした名称としており、トロフィーもオスカー賞のトロフィーと同じメーカーに発注して、18金メッキで製作。「セキュリティという厳しい仕事のなかでも、ユニークさを感じてもらえるような仕組みとすることを心がけた」(マイクロソフト・高橋正和チーフセキュリティアドバイザ)という。

 期間中のサイト閲覧回数は21万5008回。参加人数は監督賞2169人、主援賞2369人、新人賞2758人の合計7296人。重複を除くと4708人となる。また、クイズエントリー数は、監督賞2828回、主援賞2938回、新人賞3529回の合計9295回。そのうち、全問正解となったAWARD受賞者数は、監督賞521人、主援賞547人、新人賞661人の合計1729人。重複を除くと1244人となった。


IT Security Award 2008のトロフィー IT Security Award 2008の賞状

 監督賞を受賞した大日本印刷の甲野邦雄さんは、「社内ではISO 27001の取得に取り組んでおり、大変な苦労をしていた時期。その期間に、社員が気分転換にIT Security Award 2008に参加して、楽しむことができた。当社は、セキュリティ事故を起こした経緯があり、社長以下、セキュリティ対策には積極的に取り組んでいるが、ものづくりの現場においては、IT投資はコストであるという考え方になりやすい。セキュリティに対する認識はあるが、いざ導入となると、難しいという側面も出てくる。今回の受賞を機に、我々がやっているセキュリティに対する取り組みは正しいという認識を持って、社内にも発言していきたい」と語った。

 主援賞を受賞したSBTコンサルティングの石附陽子さんは、「日常、セキュリティコンサルティングを業務にしており、セキュリティのプロが参加するのもどうかと思ったが、この仕事に携わるものとして、セキュリティの重要性を改めて認識することにつながった」と話す。


監督賞を受賞した大日本印刷の甲野邦雄さん 主援賞を受賞したSBTコンサルティングの石附陽子さん

 新人賞を受賞したシステムインテグレータに勤務する中村太祐さんは、「勤務先では、銀行系アプリケーションのコンサルティングから運用までを行っているが、システム開発の場面において、セキュリティをしっかりと理解した上で業務を行っているのかを自ら確認することができた。知らなかったこともあり、大変有意義だった」とコメントした。

 また、審査員特別賞を受賞した富士ゼロックス北陸の森正彰さんは、「情報セキュリティは、仕事のベースラインとなるものであり、直接関わる、関わらないを問わず、仕事に役立つものだと捉えている。IT Security Award 2008は、ITPro道場の仲間に教えてもらって参加した。今回の受賞は、道場の仲間たちと一緒に受賞したものと考えている。受賞したのだから、もっとしっかりと情報セキュリティを勉強しなくてはいけないという気持ちにもなっている」とした。


新人賞を受賞した中村太祐さん 審査員特別賞を受賞した富士ゼロックス北陸の森正彰さん

 表彰式においては、マイクロソフトの樋口泰行COOがビデオメッセージを寄せ、「企業において、情報システムを安定的に運用させることが大変重要なこととなっている。そのためにITProは多くの努力を払っている。これが評価される環境を作るとともに、社内のセキュリティ教育のための資料、ツール、そして、高品質ソフトの提供によって、負担を減らしたいと考えている。企業の安心・安全な環境を作るためにマイクロソフトは支援していく」とした。


執行役常務デペロッパー&プラットフォーム統括本部長のパトリック・ヘイズ氏
 一方、マイクロソフトの執行役常務デペロッパー&プラットフォーム統括本部長のパトリック・ヘイズ氏は、「マイクロソフトは、セキュリティ分野に限らず、ITエンジニアのサポートに力を注いでおり、スキル向上のためのリソースを提供している。Power to the PROという活動を通じて、ソリューション、サティスファクション、スキル、シナジーという4つのSで始まる取り組みを行っている。そのひとつとして取り組んでいるバーチャルラボでは、ここ数か月で5000人のITProが利用し、社内のリソースを使うことなく、Visual BASIC 2008や、Windows Server 2008のアプリケーションのテストを行える環境を実現している。今月末にも、Power to the PRO Nextといえるものを発表し、ITエンジニアに対する支援を強化した形で、マテリアルの提供やサポートリソースの提供を行っていく」とし、今後も、ITエンジニアに対する支援体制を強化していく姿勢を示した。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  IT Security Award 2008
  http://www.microsoft.com/japan/technet/security/award/


( 大河原 克行 )
2008/02/14 17:45

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