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握手するマイクロソフトのダレン・ヒューストン社長(左)と北陸先端科学技術大学院大学・潮田資勝学長(右)
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マイクロソフト株式会社と国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)は2月19日、国際化に対応する最先端の教育・研究環境の実現と、高度人材育成に関して協業関係を強化すると発表した。
北陸先端科学技術大学院大学の全教職員と学生を対象に、マイクロソフトと高等教育機関向け包括ライセンス契約を締結。ソフトの学内への配布を行うとともに、SoftGrid Application Virtualizationによる国際化に対応した先進教育を実施することで、学内の情報基盤の大幅な強化、ソフトウェア資産管理の効率化、情報教育環境の充実が期待できるとしている。SoftGrid Application Virtualizationが日本の教育機関に全学規模で導入されるのは初めての事例となる。
具体的な内容として、留学生をはじめとする全学生が、学内のほか、自宅や学生寮において、Windows Vista Enterpriseによる多言語のソフト環境で、教育、研究ができる環境を実現。SoftGridを利用することで同一アプリケーションにおける言語、バージョンの差異を解消し、多言語、複数アプリケーションの同時利用と集中管理が可能となる。SoftGridの仮想化技術を利用することで、ITガバナンスの確立とともに、保守、運用管理の大幅な効率化を実現できるという。
さらに、マイクロソフトの教育機関向けトータルICTソリューション「エデュステーション」の「セキュアデスクトップパッケージ」を導入することにより、教員および学生のPCを一元的に管理するとともに、安全な環境でPCを利用できるようにした。
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SoftGridを活用し、PowerPointの日本語版、英語版、中国語版を同時に表示
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SoftGridを利用したアプリケーション管理
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北陸先端大の環境
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マイクロソフト文教営業部・反町浩一郎本部長
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マイクロソフト文教営業部・反町浩一郎本部長は、「高等教育機関向け包括ライセンス契約により、PCごとの契約ではなく、全学の人数を対象とした契約となり、個人用PCを含めて複数台のPCに対しても利用することができる。さらに最新バージョンが利用可能になり、最新のデスクトップ環境下での教育、事務業務を可能にすると同時に、ソフト資産管理を適切、かつ省力的に行うことができ、ITコストの低減を図ることができる。また、SoftGrid Application Virtualizationの導入により、利用権限やライセンスの一元管理、言語違いやバージョン違いの同一アプリケーションの一元化、情報漏えいリスクの回避という課題を解決できる」とした。
従来のライセンス制度では、Office Enterpriseが3万5700円であったのに対して、同包括契約では、学生は年間1700円、教職員は年間3400円で利用できる。
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北陸先端科学技術大学院大学情報科学センター・松澤照男センター長
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北陸先端科学技術大学院大学情報科学センター・松澤照男センター長は、「北陸先端科学技術大学院大学においては、20カ国以上の国から学生が留学しており、全学生の18%を留学生が占める。研究活動を行うためには日本語、英語のほかに母国語も必要であり、それがWindows環境で実現できるようになる。4年間というライフサイクルで試算すると、従来のボリュームライセンス導入に比べて費用は62%も削減ができ、不正利用、不正コピーが起こらない環境づくりが可能になる」と、包括ライセンス契約のメリットを示した。
加えて、今回の協業強化では、北陸先端科学技術大学院大学の学生を、マイクロソフトにインターンとして迎え入れることも含まれており、最新のIT技術を習得できる環境を提供する。東京・調布の技術拠点などを対象に、1~3カ月から半年間迎え入れることになるという。
マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長は、「今回の協業は、最新ITインフラの導入に向けた教育機関における包括的な提携内容であるのに加え、インターンシップによる協業が含まれる点が重要。北陸先端科学技術大学院大学が2008年度から開始する新教育プランでは、多国籍の経験を積むことの重要性が訴えられていた。この点では、マイクロソフトのオフィスは、多国籍の経験を実現しやすく、まさに国連のような環境で、多くの人材が経験を積んでいる。北陸先端科学技術大学院大学と共有できる要素があるだろう。今回の協業は、始まりであり、新たな種をまくことができるものといえる」とした。
一方、北陸先端科学技術大学院大学の潮田資勝学長は、「今回の包括ライセンス契約により、ソフト資産管理の効率化、国際化に対応した最先端の情報環境が整うことになる。また、マイクロソフトにインターンを受け入れてもらうことで、本学が切り開いている世界水準の教育、研究環境を提供するとともに、高度に人材育成への取り組みをさらに進展させることができる。これまで大学院では、学者のクローンを作るという言い方がされ、企業はマスターやドクターを使いにくい、逆に学生もつまらないという声が出ていた。企業がグローバルで戦うためには、新たな人材が必要であり、インターンシップを通じて、そうした人材の育成にも取り組みたい」とした。さらに、「地域貢献は大切な要素であり、社会人教育なども実施していきたい。その上で、マイクロソフトとの協業は必要」と語った。
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マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長
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北陸先端科学技術大学院大学・潮田資勝学長
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■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
http://www.jaist.ac.jp/
プレスリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3359
( 大河原 克行 )
2008/02/19 14:19
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