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正式公開から1週間-Office Live Small Businessは中小・個人事業主を救えるか


 マイクロソフト株式会社は、小規模事業所や個人事業者を対象にしたビジネス支援オンラインサービス「Microsoft Office Live Small Business」日本語版の正式サービスを3月6日に開始した。2006年12月のベータ公開以来、約14カ月を経てからの正式版となる。正式公開されたOffice Live Small Businessの特長および今後の展開について、同社インフォメーションワーカービジネス本部 Office製品マーケティング本部 シニアプロダクトマネージャの鍵山仁一氏に話を伺った。


インフォメーションワーカービジネス本部 Office製品マーケティング本部 シニアプロダクトマネージャの鍵山仁一氏
―正式公開して1週間が経過しましたが、反応はいかがですか?

鍵山氏
 パートナーの反応が高かったですね。それもさまざまなパートナーの方から問い合わせをいただきました。たとえば、ライセンスを有償パッケージとして販売する予定があるのかとか、Office Live Small Businessを使ったソリューションの開発は可能なのかとか、さまざまですね。

 また、自治体からの問い合わせも多数ありました。これまではベータ版だったので、問い合わせは控えていたようですね。


―正式公開まで14カ月もかかったのはなぜですか?

鍵山氏
 パッケージ型のアプリケーションの場合、ベータ版として公開されるのは、仕様などがほぼ固まった状態になってからです。そのため、検証期間は比較的短くなっています。しかし、Office Live Small Businessの場合、サービスとして提供しているため、さまざまな仮説の検証が必要でした。

 14カ月かけたおかげで、ベータ版利用者からのフィードバックは正式版に数多く反映しています。一番大きなものでいえば、ラインアップと価格でしょう。いくつも用意するのではなく、基本となるサービスをひとつにして、必要なときに必要な機能をアドオンするという利用形態にしました。これに伴って、価格も見直しています。

 細かな点でいえば、Webデザインの変更方法やタブのカスタマイズなど、利用者の用途に応じた設定が行えるようになりました。また、パフォーマンス面でも改善しています。


―ベータ版の利用者数はどのくらいになりましたか?

鍵山氏
 ユーザー数でカウントはしていなくて、ドメイン数でカウントしており、これまでに2万4000ドメインの利用がありました。

 利用者の傾向ですが、製造業の方の利用が多いですね。これはアメリカの傾向とは異なるところです。アメリカでは、IT系企業が利用しており、使っている方の年齢も比較的若いですね。これに対して、日本では製造業を中心に、取引先が固定化されている企業が利用しています。また、比較的年配の方が使う傾向も出ています。


Office Live Small Businessトップページ
―利用者の違いはサービス提供に何か影響を与えていますか?

鍵山氏
 そうですね。基本機能に徹するようにしています。たとえば、ショッピングカートなどの機能を搭載することは可能ですが、いきなりそうした機能を使わせるのはどうなのかといったことも考えますね。まずはWebサイトを公開できるよう、顧客管理ができるようといった基本的な機能を利用できるようにしています。


―であれば、業種別対応を行うとか、テンプレートを充実させるなどの対応が必要なのではないでしょうか?

鍵山氏
 業種別の対応は検討していますが、現状は様子見の段階です。もう少し利用者数が増えてから判断したいとおもっています。

 テンプレートに関しては、現状不十分ですので、シナリオ別なのか業種別なのかといった点から検討しています。マイナーアップデートの時点で追加することも考えています。

 どちらの場合もそうですが、理解していただくには利用事例を見せることが一番だとおもっています。ただ、マイクロソフトが直接集めてしまうと、どうしてもわれわれの見方が入ってしまうので、第三者にお願いして事例を公開できるように準備をしています。


―マニュアルなどの充実も必要そうですね。

鍵山氏
 タスクの中になにをすべきなのかを入れて誘導するなどしています。ただし、こうした機能は能動的に使う方には有益ですが、どこから手をつければいいかといったきっかけ作りとしては不十分かもしれません。ですので、「できるOffice Live Small Business」という小冊子を用意しています。


初心者ユーザー向けに用意された小冊子「できるOffice Live Small Business はじめてガイド 特別版」
―オンラインマニュアルを充実するのではなく、紙で提供ですか?

鍵山氏
 先ほども説明しましたが、Office Live Small Businessの対象となる中小企業や個人事業主のオーナーの方は、平均年齢が高い傾向にあります。そうした方々は、使い方などをマスターするのに、やはり書籍を求められるのです。PDFで用意しようかと検討はしたのですが、1万部印刷して小冊子を用意しました。まずは、これを利用してはじめていただきたいですね。


―Office Live Small Businessそのもののローカライズは行っているのでしょうか?

鍵山氏
 ローカライズという考え方ではなくアダプテーションという考え方で取り組んでいます。基本的な機能は英語で公開されているものと同じで、各国ごとのニーズに応じた機能を追加するというものです。

 まだ実装できていませんが、日本ではモバイルのニーズは非常に高いです。これをアメリカで説明しても、「SMS(ショートメッセージサービス)で利用するのか」って聞かれるのです(笑)。モバイルでの利用のイメージができないようですね。ですので、こうした機能は日本で開発して追加する形になるとおもいます。


―モバイル対応はいつくらいに行う予定でしょうか?

鍵山氏
 次期版で対応する予定です。Office Live Small Businessですが、6週間隔でのマイナーバージョンアップと、半年から1年のスパンでのメジャーバージョンアップを行います。モバイル対応に関しては、このメジャーバージョンアップで対応します。

 実はメールだけであればすぐにでもモバイル対応は可能ですが、メールだけをモバイルで使いたいというニーズがどれくらいあるのかと疑問があります。やはり、ブログの更新だとかWebサイトの公開などフルキットで提供しないと、逆に混乱を与えるおそれがあるとおもっています。ですので、次のバージョンアップでフルキットで対応します。


―最後に読者に対してメッセージがあればお願いします。

鍵山氏
 まずは試していただきたいですね。Webサイトをすでに運営されている方も手軽に試せますので、使っていただければとおもいます。数ステップで利用できますから。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  Microsoft Office Live Small Business
  http://smallbusiness.officelive.co.jp/

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( 福浦 一広 )
2008/03/14 16:54

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