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「2010年に35%の成長を目指す」、マンハッタン・アソシエイツ


米Manhattan Associatesのシニアバイスプレジデント、ジェフ・バウム氏
 SCM(サプライチェーン管理)製品を手がけるマンハッタン・アソシエイツ株式会社は3月14日、記者向けの事業説明会を開催。米Manhattan Associatesのシニアバイスプレジデント、ジェフ・バウム氏らが、同社の近況や戦略を説明した。

 Manhattan Associatesは1990年からサプライチェーンの最適化に焦点を当ててビジネスを展開しているが、その間上場企業として、堅調な売り上げを維持してきたのはMicrosoftと同社だけだという。ここ5年を見ても、市場全体では売上高の年平均成長率が6%だったのに対し、同社は14%と高い成長率を維持。また売り上げの増大に伴って利益も上昇しており、2007年は5000万ドルを超える利益を記録した。さらに、「他社との差別化要因として、研究開発へ多大な資金を投じている」(バウム氏)とのことで、2007年には4660万ドルを投資。同分野に携わっている従業員の数も、2001年と比べて4倍に増加している。

 製品面では、ウェアハウスマネジメント(倉庫内管理)システムで実績を上げてきたというイメージが強いが、「ここ2~3年、新製品をどんどん投入しており、それ以外の売り上げが大きな伸びを示している」(バウム氏)とのこと。RFIDや分散オーダー管理といった製品を中心に、ここ5年で34%の年平均成長率を達成した。

 そうした状況の中、製品に対しても高い評価を得ているという。Manhattan AssociateはSCM市場で5%のシェアを獲得しているが、同社よりも上位なのはSAPやOracleなどのERP製品も手がけているベンダー。「ERP系の企業が大きなシェアを持っているが、そうした中で先進的な顧客の中からは、当社のようなスペシャリストから製品を買いたいという声があがっている」としたバウム氏は、.NET環境向け、IBM System i向け、Open System向けの3つの製品群それぞれが、Gartnerのマジッククアドラントなどで業界の上位に位置付けられていることを裏付けとして示した。

 また、一口にSCMといっても大きな範囲があるが、Manhattan Associateが注力するのは、複雑、かつ戦略性が高いサプライチェーンだという。「当社の顧客は、エンドトゥエンドを視野に入れてサプライチェーンの問題を解決しようと考え、当社製品を導入している。具体的な要素ではなく、より戦略性の高いエンドトゥエンドを視野に入れている」としたバウム氏は、それを実現するための製品として、「SCOPE」を挙げた。

 同社の製品は、小売業から物流、消費財、ハイテク、ライフサイエンス、食品まで幅広くカバーできるのが特徴であるものの、バウム氏は「2008年に日本で取り組む優先課題は小売業向けだ」と話す。さらに、マンハッタン・アソシエイツ日本法人の代表取締役、アーノルド・コンセンコ氏は、小売業のほか、物流、3PL(3rd party logistics)、電機製品を含めたハイテク事業などについても注力分野として取り上げ、2010年に35%の成長を目指すとした。



URL
  マンハッタン・アソシエイツ株式会社
  http://www.manh.co.jp/


( 石井 一志 )
2008/03/14 17:27

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