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キヤノンMJ、2008年度第1四半期連結決算は減収減益


2008年度第1四半期の業績

セグメント別売上
 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)は4月23日、2008年度第1四半期(1~3月)の連結決算を発表した。

 売上高は、前年同期比0.7%減の2120億円、営業利益は18.6%減の76億円、経常利益は16.2%減の78億円、当期純利益は29.5%減の36億円となった。営業利益率も31.9%となり、0.4ポイントの減少となった。

 ITソリューションやデジタル一眼レフカメラの売り上げが増加したものの、半導体露光装置やコンパクトデジタルカメラの売上の減少が響いたほか、売上総利益の減少とともに、販管費が微増したことが、減収減益の要因。また、キヤノンMJ本社管理部門担当の川崎正己専務取締役は、「第1四半期の減益要因には、グループ統合関連費用、関係会社本社移転関連費用などの特別損失が影響している」とした。

 だが、通期見通しについては、ドキュメントビジネスにおける製品ラインアップの拡充やソリューション提案の展開強化、大判インクジェットプリンタの製品ラインアップの拡充、ITソリューション事業の強化、デジタル一眼レフカメラの入門機から上級機まで積極的な製品展開とマーケティング活動により、売上高の回復が見込めるとしており、1月の公表数字からの変更はなく、通期売上高は、前年比2.2%増の9,250億円、営業利益は前年比7.8%減の340億円、経常利益は前年比7.8%減の340億円、当期純利益は5.2%減の190億円としている。


ビジネスソリューションの売上高

ドキュメントビジネスの業績
 2008年度第1四半期業績におけるビジネスソリューションは、6%増の1313億円。営業利益は10%増の55億円。そのうち、ドキュメントビジネスの売上高は1%減の880億円。ITソリューションは、24%増の433億円となった。

 ドキュメントビジネスでは、ビジネス機器の売上高が4%減となったが、コンビニ向けのレンタル機の大型商談があり、MFPにおけるレンタル台数は5倍に成長。レンタルを含んだMFPの台数は10.2%増となった。レンタルを除いたMFPの販売実績では9.2%減となっている。「レンタル事業の性格上、まずは投資が先行することになり、今後収益を確保する仕組みになる」(芦澤光二専務取締役)という。

 また、オフィス向けMFPは、カラー化が進展する一方で価格下落の影響が大きいとする。「2月に発売したImageRUNNER iR 4080などの新製品によって、巻き返しを図る」(川崎専務取締役)という。

 LBPに関しては、MFPへの集約化が進むことで前年割れが続くとしている。

 さらに、保守サービスは、プリントボリュームの順調な拡大に支えられて前年同期比2%増。また、LBPトナーカートリッジは4%増となった。

 市場全体では下落傾向が続くと見られるが、カラー機の拡販に加え、中高速機を中心にセキュリティを中心にしたソリューション提案を加速。今後は、LBPとMFPとを連動したトータルデバイス提案も行っていくとしている。

 なお、キヤノンシステムアンドサポートの売上高は前年同期比8.5%増の294億3000万円、営業利益は2.0%増の7億600万円となった。


ITソリューションの売上高
 一方、ITソリューションの売上高は、24%増の433億円。そのうち、ITサービスが38%増、ITプロダクトが8%減。ITサービス事業において、同社が得意とする製造、金融向け事業が好調であり、「今後は、SI、ソリューション/商品、ITプロダクトを中核として、業界全体の成長を上回る伸びを維持していく」(ITSカンパニープレジデント・浅田和則専務取締役)とした。

 ITソリューション事業の関連会社の業績は、Web関連ソリューションなどを展開するキヤノンソフトウェアの売上高が前年同期比25%増の48億4000万円、営業利益は0.3%減の1億5000万円。製造分野向けSIサービスを展開するキヤノンシステムソリューションズの売上高が22%増の124億3000万円、営業利益は1.3%減の6億9000万円。ネットワーク事業やデータセンター事業などの基盤事業を担うキヤノンネットワークコミュニケーションズの売上高は21%増の25億6000万円、営業利益は0.8%増の2億3000万円。金融分野向けや組込型ソフトで実績を持つアルゴ21の売上高は71億6000万円、営業利益は8億5000万円となり、ITソリューション事業各社の合計は、売上高で7.8%増の269億9000万円、営業利益で7.7%増の19億2000万円となった。

 同社では、4月1日付でキヤノンシステムソリューションズと、アルゴ21を合併し、キヤノンITソリューションズを設立。今後、キヤノンMJにおけるITソリューションビジネスを牽引する中核会社としての役割を担うことになる。

 なお、コンスーマ機器の売上高は4%減の605億円、営業利益が67%減の11億円、産業機器は売上高が23%減の202億円、営業利益は8%減の11億円となった。



URL
  キヤノンマーケティングジャパン株式会社
  http://canon.jp/
  決算概要
  http://cweb.canon.jp/co-profile/ir/finance/highlight.html


( 大河原 克行 )
2008/04/23 15:31

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