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リコー、2007年度通期連結決算は3期連続の過去最高利益を更新

米国での回復が今後の課題に

2007年度通期連結決算

取締役専務執行役員の三浦善司氏
 株式会社リコーは、2007年度連結決算を発表した。

 売上高は前年比7.3%増の2兆2199億円、営業利益は4.1%増の1815億円、税引前利益は0.1%増の1746億円、当期純利益は4.7%減の1064億円となった。

 「売上高では14期連続での増収。営業利益および経常利益は微増であるものの、3期連続での過去最高益を更新した。2007年度は、新たな製品が少なく、製品の端境期であったともいえる。だが、すべての事業領域で増収増益となった」(リコー取締役専務執行役員の三浦善司氏)とした。

 オフィス分野では、カラーMFPのラインアップ強化や、InfoPrint Solution Company(IPS)の営業開始によるハイエンドプリンティング市場への本格参入、ジェルジェットプリンタによるローエンド商品の強化、Oreriusブランドによるソリューション強化のほか、プリンティングヒジネス強化に向けて、中国のコンポーネント会社の設立や、沼津や宮城における重合トナーの生産能力増強の発表、ローエンドプリンタなどの生産を行うタイ工場の設立発表などのトピックスがあった。

 また、経営効率の向上として、基幹システム構築の推進、米州および欧州販売会社の組織統合の推進、リコー販売に関東甲信越地域の販社を統合するなどの国内販売会社の組織統合推進などを図った。

 「基幹システムの構築については、ほとんど完了した。一方で、組織統合などには予想以上に時間がかかった反省がある」などとした。

 国内売上高は前年比1.4%増の1兆160億円、海外売上高は12.9%増の1兆2039億円。米州においては、売上高は2.0%増の4347億円、欧州は18.9%増の6032億円、その他地域は24.7%増の1659億円となった。

 米州では、InfoPrint Solution Company(IPS)が6月から加わったことで売上げが増加しており、「これを除くと厳しい内容。サブプライムローン問題の影響などによる景気の減速、市場における競合激化が影響している。米州での事業には課題が多い」とした。


分野別売上高 事業別売上 所在地別売上

 事業分野別では、オフィスソリューション分野の売上高は、前年同期比7.6%増の1兆9095億円、営業利益は4.1%増の2346億円。そのうち、画像ソリューションの売上高は前年同期比8.2%増の1兆7094億円、ネットワークシステムソリューションが3.0%増の2000億円。

 画像ソリューションでは、製品ラインアップの拡充や、ソリューション販売体制の強化などにより、PPCおよびMFPの販売が国内外で拡大したという。

 また、ネットワークシステムソリューションでは、ソリューションビジネスの拡大に伴い、ITサービスの売上高が拡大。パソコンおよびサーバーも前年比微増となった。

 産業分野は、半導体、サーマルディア、電装ユニットの売上高が増加し、売上高は8.2%増の1443億円、営業利益は41.1%増の41億円。

 また、その他分野の売上高は3.1%増の1660億円、営業利益は13.6%増の25億円となった。

 国内におけるリース事業が堅調に推移したのに加えて、デジタルカメラの売り上げが国内外で増加したという。


2008年度業績見通し

2008年度分野別見通し
 一方、2008年度の業績見通しについても明らかにした。

 売上高は前年比1.8%増の2兆2600億円、営業利益は0.8%減の1800億円、税引前利益は0.8%増の1760億円、当期純利益は1.4%増の1080億円とする。

 「15期連続の増収を目指すが、微増であり、決して満足ができるレベルの目標ではない。米国、欧州、日本の景気減速の動きが無視できず、前半は厳しい。だが、後半から上向いてくると期待している。為替レートは、1ドル100円、1ユーロ160円と保守的に見ており、営業利益ではドルでは1円で13億円、ユーロでは1円で15億円の影響がある。前年並みの為替で換算すると営業利益では210億円程度の影響があり、逆算すれば2015億円の価値がある」とし、実質的には営業利益においては、プラスの目標であることを示した。さらに、「本音をいえば、営業利益はもう少し伸ばしたい」として、増益を視野に入れたいとの姿勢を示した。

 また、「2008年度は、今後、主力製品と新製品を投入する予定で、これらが今年度半ば以降、貢献すると期待している」とした。

 オフィスソリューション分野の売上高は、前年比2.5%増の1兆9565億円。そのうち、画像ソリューションは2.5%増の1兆7515億円、ネットワークシステムソリューションは、2.5%増の2050億円。産業分野は0.6%減の1435億円、その他分野はバーコードビジネスの譲渡や光ディスク事業の縮小によって3.7%減の1600億円を計画している。



URL
  株式会社リコー
  http://www.ricoh.co.jp/


( 大河原 克行 )
2008/04/25 00:00

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