株式会社ミック経済研究所は5月7日、「データセンター市場の消費電力とグリーンIT化の実態調査 2008年度版」を発表した。価格は、A4・204ページのファイル製本版が19万9500円、CD-ROM版が39万9000円。
データセンター市場に関しては、同時期に発刊した資料「ITアウトソーシング市場展望 2008年度版」のデータを使用。消費電力量とグリーンITに関しては、面接取材を中心とした調査対象企業21社の個別実態調査と、総床面積を公表している55社のデータを使用し、全体の状況を推定している。
同調査資料によると、データセンター市場の伸びは、大手企業の伸び率に影響されるものの今後も年率7%程度で伸長。国内データセンター市場は2007年度の1兆1600億円から、2012年度には1兆6300億円にまで拡大する見込みという。
一方、消費電力量は、コロケーションサービスを中心とする中堅のデータセンター企業の事業拡大に後押しされ、2006~2008年度に平均約13%伸長。総床面積も、年度によりばらつきがあるが、2007年度~2009年度で平均13%の拡大が見込まれる。
このまま推移すれば、国内全体のデータセンターの消費電力量は、今後も13%程度で増加する見込み。2007年度国内データセンターの消費電力量57億キロワット時、総床面積126万平方メートルの算定値から、2012年には消費電力107億キロワット時、総床面積223万平方メートルと、それぞれ2倍近くまで増加することが推測されるとしている。
また、データセンターのエネルギー消費効率を測定する指標「PUE(Power Usage Effectiveness:電力利用効率指標)」の平均値は、回答のあった調査対象企業21社のうち17社において、おおむね2.0だった。
PUEは、IT機器自体が消費する電力の何倍の電力がデータセンター全体で消費されるかを表しており、この数値が少ないほど、電力効率が良いといえる。ちなみに日本IBMが2007年12月に稼働開始した「幕張データセンター」のPUEは1.8という。
同調査資料では、「PUEを積極的に活用している企業は、21社のうちわずか5社。日本は、PUEを積極的に活用していく動きにはなっているといいがたい」とし、活用定着化には、PUEの計測項目の定義や計測点の明確化などの課題解決が必要であると指摘している。
■ URL
株式会社ミック経済研究所
http://www.mic-r.co.jp/
データセンターの消費電力とグリーンIT化の実態調査 2008年度版
http://www.mic-r.co.jp/mr/00222/
( 川島 弘之 )
2008/05/07 13:57
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