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富士通、中規模システム向けブレード戦略を公表

2010年度にブレードサーバーで国内トップシェア目指す

ブレードサーバビジネスプロジェクト・安部豊チーフプロジェクトマネージャー

ブレードサーバーの適用市場。単純集約の領域での拡大が見込まれるとしている
 富士通株式会社は、ブレードサーバビジネスプロジェクトによる中規模システムへの展開を本格的に開始した。

 今後、成長率が高い中規模システム領域でのブレードサーバー事業を拡大することで、2010年には国内トップシェアを目指すという。

 富士通ブレードサーバビジネスプロジェクト・安部豊チーフプロジェクトマネージャーは、「当社では、単一業務での利用に関しては、PCサーバーであるPRIMERGY、基幹業務やiDCの利用では基幹IAサーバーのPRIMEQUESTとしており、そのすき間をブレードサーバーで提案してきた。今後、単一業務での利用を、単純集約するといった領域において、ブレードサーバーを適用する期待が高まっており、中規模システムとしての提案が増加することが見込まれる。ブレードサーバー市場は、今後3年間で倍増すると見ており、とくに中規模システムがブレードサーバー市場全体を牽引することになるだろう」とした。

 富士通では、製販一体を目指した主査制度を導入。社長直轄の取り組みとして、競合力のある強い商品づくりを実現するため、商品企画から開発、拡販戦略に至るまで、ビジネス全体をマネジメントする仕組みを採用している。

 営業、サポート、開発部門など50人体制で運営しており、ブレードサーバプロジェクトもそのひとつに含まれる。

 ブレードサーバプロジェクトでは、昨年8月の発足以来、国内ビジネスの立ち上げと、2008年度向け新商品企画に取り組み、直接顧客の声を聞く活動を行う一方、他社とのベンチマークや、ブレードのメリット訴求や販売方法の周知などに取り組んできた。

 さらに、商談サポートおよび技術サポートを行う体制として、ブレードシステムセンターを今年2月に設立。40人のフィールドSEによる技術サポート体制を確立。加えて、130台にのぼる検証・デモ機材を用意した。

 「ブレードサーバーの技術サポート施設としては国内最大級のものになる」(安部チーフプロジェクトマネージャー)という。


中規模システム向けブレード製品

セットモデルの特長
 このほど明らかにした中規模システム向けブレードサーバー製品戦略では、ターンキーシステムの提供や、直販中心からパートナー中心のビジネスへの変革を掲げ、「UPSやバックアップシステムなど、すでに検証済みの実績があるシステム構成によってオールインワン型で提供するほか、PCサーバーと同様の運用方法の維持、PCサーバー同様にパートナーを中心とした提案を進めていく。ブレード特有の知識を求めない『かんたん』さを追求し、ユーザーが導入して、すぐに使えることを目指した」とする。

 同社では、中規模システム向けブレードサーバーをセットモデルとして提供。セキュリティやバックアップ、停電対策などの必要なコンポーネントを組み込んだ「構成」、それらを工場でセットアップし、ユーザーの導入先では電源を入れるだけですぐに使える「導入」、直感的なオペレーションが可能なマニュアルレスツールの提供による「操作」の3つの観点からセット化を図る。

 マニュアルレスツールとしては、Systemwalker Resource Coordinator Virtual Server Edition V13.3をブレードビューアとして提供。「簡単操作と構成、状態の見える化を実現できる」とした。

 セット商品は、かんたんブレードセット(仮称)として、ベースモデル、オフィスモデル、バックアップモデル、自動リカバリモデルを用意。「ニーズや利用シーンにあわせて選択できるようにするほか、工場セットアップによる納期の短縮や、梱包材を削減できる点での環境対応にも副次的な効果がある」とした。

 ブレードサーバー向けの拡販支援プログラムとして、認定制度、報奨制度のほか、営業やSE向けの教育コースを新たに7講座を開設。構成・見積・システム構築支援、検証のための貸し出し機材を50台用意するといった仕組みも用意している。


かんたん!バックアップセット(仮称) マニュアルレスツール「ブレードビューア」として提供されるSystemwalker Resource Coordinator Virtual Server Edition V13.3

 同社では、2007年におけるサーバー市場で、20.2%の金額シェアを獲得し、4年ぶりにトップとなった。だが、ブレードサーバー市場においては、シェアは10.9%にとどまっており、5位に甘んじている。

 「ブレードサーバー分野での出遅れは認識している。だが、2007年実績では前年比255%と伸張率はトップ。2010年までに、国内ブレードサーバー市場において、トップシェア獲得を目指す」(安部チーフプロジェクトマネージャー)とした。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/


( 大河原 克行 )
2008/05/13 18:52

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