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「Barcelonaのアーキテクチャをいかした」デルの仮想化対応サーバーの裏側を聞く


 デル株式会社はAMD Opteronを搭載したサーバー「PowerEdge R905」および「PowerEdge R805」を5月13日に発表した。クアッドコアOpteron(開発コード名:Barcelona)を搭載し、VMware ESXiやCitrix XenServerをインストールすることなく利用できる、仮想化に最適化された製品だ。今回発表された製品について、デル エンタープライズ・マーケティング本部 本部長の中島耕一郎氏、日本AMD マーケティング本部エンタープライズプロダクトマーケティング部 部長の山野洋幸氏に話を伺った。


デル エンタープライズ・マーケティング本部 本部長の中島耕一郎氏
―このクラスのサーバーで、256GBまでメモリが搭載できるのは、非常に個性的ですね。

中島氏
 そうですね。仮想化に対応するには、プロセッサのパワーはもちろん重要ですが、(仮想マシンが大量に使用するため)メモリ容量がさらに重要です。256GBまで搭載できるというのは、事実上メモリ搭載の制限がないに等しいわけですから。

 ただ、メモリ容量だけに注目されると、このサーバーの本質が正しく伝わらないとおもいます。

 元々、AMDのクアッドコアOpteronのアーキテクチャを考えて作り上げたのが、今回のサーバーなのです。クアッドコアOpteronを活かすのに最適なサーバーはなにかと検討し、仮想化に最適化したサーバーになったんです。メモリスロットは結果的に増えたにすぎません。

山野氏
 インテルのアーキテクチャでもメモリスロットを32本用意することは可能でしょう。しかし、メモリとプロセッサを直結したAMDのアーキテクチャと比べると、パフォーマンスのロスが発生するとおもいます。


―クアッドコアOpteronは昨年9月に発表されましたが、設計上の不具合から今年の3月まで出荷が遅れました。半年という期間はこの業界にとっては長いとおもいますが、製品化を見送ろうとはされなかったのですか?

中島氏
 それはありません。半年のギャップがあっても、デルにとってクアッドコアOpteronは選択肢として持ちたい製品だったからです。そうでなければ、仮想化ラインアップの一製品という位置づけになっていたでしょう。

 なによりも魅力的だったのが、ひと味違うポジショニングができるという点です。プロセッサの仮想化機能をそのまま活かし、なおかつメモリ容量の上限を事実上なくした製品はなかなか作れません。デルがこのプロセッサをかつぐと、どのような製品になるのかを明確にしたかったという思いもあります。


日本AMD マーケティング本部エンタープライズプロダクトマーケティング部 部長の山野洋幸氏
―プロセッサの供給に不安はありませんか? 非常に売れてしまうと供給が間に合わなくなるとか(笑)

山野氏
 クアッドコアOpteronに関しては、3月から供給を開始しています。ボリュームは確保しています。

中島氏
 そこはしつこいくらいに確認しましたよ(笑)。その上で、製品を発表していますので、供給の不安はありません。われわれとしてもユニークなポジショニングのサーバーですから、供給不足などでこけては話になりませんからね(笑)。


―AMDにとっては、デルがクアッドコアOpteron搭載サーバーを出荷したことで、プロセッサそのものの保証をされたという形になりますね。

山野氏
 そのとおりです。今回、発表会に参加させていただいたのは、そうした意味も込めています。クアッドコアOpteronが本格スタートしたというメッセージになればいいですね。


―PowerEdge R805で128GB、PowerEdge R905で256GBと大容量のメモリを搭載できます。用途としては、大規模なサーバー集約に最適なのでしょうか?

中島氏
 もちろん、大規模なサーバー集約にも利用できますが、それだけではありません。最大256GBまでメモリを搭載できるだけであって、必ずしもそこまでメモリを搭載しなくてもいいわけですから。

 個人的には、仮想化の検証に最適なサーバーだとおもっています。どんな規模の仮想化でも実現できるわけですから、なんでも試せますよ(笑)。


―仮想化をこれから試そうとするユーザーに最適ということですね。

山野氏
 クアッドコアOpteronのRVI(Rapid Virtualization Indexing)は、仮想マシンがメモリを直接管理できるので、仮想化ベンダーから非常に期待されている機能です。また、NUMAを採用している点も、メモリ管理という観点から仮想化に有効です。仮想化のよさを確認するのに最適なサーバーではないでしょうか。

中島氏
 デルとしては、仮想化環境に対して、最先端の技術をどこよりも早く手掛けている自負があります。今回のサーバーがまさにそれです。


―ありがとうございました。



URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/
  日本AMD株式会社
  http://www.amd.co.jp/

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( 福浦 一広 )
2008/05/15 11:00

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