Enterprise Watch
最新ニュース

日本AMD、6コアOpteronなどサーバー向けプロセッサのロードマップを紹介


 日本AMD株式会社は5月16日、サーバー向けプロセッサのロードマップに関する記者説明会を開催した。5月7日(米国時間)に米AMDが公開した新ロードマップを受けたもので、2010年までのスケジュールについて説明が行われた。

 MPプラットフォームおよびDPプラットフォーム向けのプロセッサについては、45nmプロセスのクアッドコアプロセッサ「Shanghai(開発コード名)」を2008年後半に出荷する。Shanghaiは、現行のクアッドコアOpteron(開発コード名:Barcelona)と比べて、L3キャッシュを6MBに拡張。45nmプロセス化により、アイドル時の消費電力を20%削減するなどの機能強化が行われている。仮想化関連では、AMD-V Extended Migrationによる仮想マシンのマイグレーション環境を強化。そのほか、cHT-3の導入などが行われている。Socket F互換など現行のプロセッサとの互換性を継承している点も特長として紹介された。

 Shanghaiの次に出荷を予定しているのが、6コアのプロセッサ「Istanbul(開発コード名)」。45nmプロセス、6MB L3キャッシュ、cHT-3など、機能的にはShanghaiを継承している。出荷は2009年後半を予定している。

 2010年には、Istanbulをベースに、6コアのプロセッサ「Sao Paulo(開発コード名)」および12コアのプロセッサ「Magny-Cours(開発コード名)」の出荷が予定されている。どちらもSocket Fの後継プラットフォームである「Maranello(開発コード名)」に対応したプロセッサ。どちらもDDR3メモリに新たに対応する。なお、32nmプロセス製品に関しては、2010年以降の対応になるため、2010年までのロードマップには含まれていないとした。


MP/DPサーバー向けロードマップ 現行のクアッドコアOpteronとShanghaiの機能比較

マーケティング本部エンタープライズプロダクトマーケティング部 部長の山野洋幸氏
 同社マーケティング本部エンタープライズプロダクトマーケティング部 部長の山野洋幸氏は、今回のロードマップ更新について「マーケットのニーズを見極めたもの」と説明。「DDR3メモリへの移行については、普及の動向などを見極めて対応することにしている。また、OEMパートナーからはコア数の増加が求められており、それに対応した製品ラインアップとした」と、6コアプロセッサの投入理由を説明した。

 説明会では、クアッドコアOpteronで起きた設計上の不具合といったトラブル防止策に関する質問も行われた。山野氏は、「こうしたトラブルを解決する方法として、初期シリコン時のテストを強化することと、OEMベンダーに対して早期に提供することで、問題の早期発見を行いたい。Barcelonaからは多くのことを学んだ」と説明。次期OpteronのShanghaiに関しては、すでにOEMベンダーに対する提供を開始していることを明らかにした。



URL
  日本AMD株式会社
  http://www.amd.co.jp/
  サーバーロードマップ(英文PDF)
  http://www.amd.com/us-en/assets/content_type/DownloadableAssets/Roadmap_Update_Fact_Sheet_Final.pdf


( 福浦 一広 )
2008/05/16 17:35

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.