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米Intelゲルシンガー氏、「ペタスケールからミリワットまですべての領域に展開」


米Intel上席副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長のパトリック・ゲルシンガー氏
 インテル株式会社は5月30日、米Intel上席副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長のパトリック・ゲルシンガー氏の来日にあわせ、同社の製品動向に関する説明会を開催。インテルアーキテクチャにより、HPC分野からMID分野までカバーする方向性を示した。

 ゲルシンガー氏はまずインテルアーキテクチャの価値について、「半導体の集積度が毎年倍増するという“ムーアの法則”、ソフトウェアスパイラルを唱えたアンディ・グローブ、ネットワークの価値は接続するデバイス数の2乗に比例して増大するという“メトカーフの法則”、インターネットの発達によりサブグループの価値に触れた“リードの法則”といったものがインテルアーキテクチャの力を生み出している」と、半導体の進化、ソフトウェア互換性の重要性、そしてネットワークへの接続性といったすべての面で、インテルアーキテクチャのメリットを説明。「ペタフロップスクラスのHPC分野といった領域から、ミリワットの低消費電力が求められるMID分野のすべてで利用できるアーキテクチャがインテルアーキテクチャ」であると述べた。


パフォーマンスへの要求が高まるHPC分野
 HPC分野では、「HPCの処理能力もテラフロップスクラスからペタフロップスに、そしてエクソフロップスといった高いパフォーマンスへの要求が続いている。インテルでは、システム基板、リファレンスデザインの開発のほか、HPCに特化した研究を進めている。こうした成果として、HPC用プロセッサの5分の4はインテル製に、また、上位500のうち354システムがインテルアーキテクチャで構築されている」と、HPC分野に大きくコミットしているとした。

 ハイエンドサーバー分野では、次期Itaniumの「Tukwila(コード名)」を紹介。Tukwilaは、クアッドコア、30MBキャッシュ、マルチスレッディングテクノロジー、QuickPathインターコネクトといった特長をもっており、Itanium 9100番台と比べ最大2倍の性能向上を実現するという。

 エンタープライズ分野では、クアッドコアXeon 7300番台を紹介。仮想化への対応のほか、拡張性などが評価されており、「シェアがもっとも伸びている領域」(ゲルシンガー氏)と説明。そのほか、2008年後半に出荷が予定されている6コアプロセッサの「Dunnington(コード名)」も紹介。16MB L3キャッシュのほか、VT FlexMigrationなど仮想化環境に可用性を与える機能が搭載されている。また、Xeon 7300番台とソケット互換が保証されており、投資保護にも有効な製品であると述べた。そのほか、エネルギー効率による二酸化炭素排出削減への取り組みのほか、鉛フリーといった素材の改良なども積極的に取り組んでいると強調した。


仮想化利用の拡大にあわせ、VTも進化 エコ分野にはプロセッサ、プラットフォーム、データセンターで貢献 電力効率のベンチマーク「SPECpower」では、Xeonプロセッサが上位を独占していると説明

 クライアントPCでは、vProへの取り組みを紹介。管理性・セキュリティを持つvProテクノロジー対応製品は、これまでに1400万台を出荷するなど順調に成長していると説明。「45nm化による省電力性のほか、電源をオフにした状態で管理が行えることなどから、電力削減効果もvProにはある」と紹介した。

 そのほか、4月に発表されたAtomプロセッサについては、「携帯電話は1年で10億台販売されているが、開発は断片化されているのが現状だ。Atom搭載のMIDであれば、インテルアーキテクチャベースであるため、開発者に対して高い互換性が提供できる」(ゲルシンガー氏)と紹介。インテルアーキテクチャベースのAtomにより、携帯電話の領域もカバーするとした。


ノートPCからMIDまで、ニーズに応じたモバイルプラットフォームを提供 Atomベースのネットブック/ネットトップ MIDプラットフォームのロードマップ


URL
  インテル株式会社
  http://www.intel.co.jp/


( 福浦 一広 )
2008/05/30 15:12

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