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芝生がPCの電力源? 米Dellデザインセンター訪問記

メッシュデザイン採用の次世代Optiplexなども公開

 米Dellの本社がある米オースチンには、同社製品のデザインを担当する「Americas Design Center」がある。Americas Design Centerでは、同社のすべての製品のデザインを行っており、開発の過程でさまざまなプロトタイプも作成されている。今回、Americas Design Centerを取材する機会が得られたので、写真を中心にレポートする。また、撮影は許可されなかったが、次世代製品に関する情報もあわせて紹介する。


次世代製品のデザインを行う「Americas Design Center」

 Americas Design Centerは、同社製品のさまざまなデザインを担当する部門。サーバー、クライアントPC、ストレージなど同社製品のデザイン開発を行うほか、PCで使用する素材、カラーリングなどの研究も行われている。特にデザイン性を重視し始めたこの1年は、大幅に人員が増加しているという。

 Americas Design Centerには、クライアントPCを中心に、プロトタイプや研究開発中の素材などが展示されている。なお、展示されているプロトタイプは、「将来的に製品化する可能性もある」(米Dell、Director, Experience Design GroupのKen Musgrave氏)とのこと。


ノートPCの開発ラフについて説明する米Dell、Director, Experience Design GroupのKen Musgrave氏 コンシューマ向けノートPCのカラーリングや素材などが展示されている クライアントPCのプロトタイプも多数展示されている

 以下、展示されているプロトタイプ、研究中の素材、コンセプトモデルなどを写真で紹介する。


















 地球環境に配慮したグリーンPCをテーマにしたデザインコンテスト「ReGeneration」の入賞作品のパネルも展示。「グラスPC」は、芝生の光合成によるエネルギーを利用したPC。「」は、水をエネルギーとして利用したPC。もちろん、これらの製品はコンセプトモデルであるため、製品化の予定はない。


ReGenerationの実施内容 芝生の光合成によって生まれた電力を利用するPC 水を電力源として利用するPC。どちらも現時点での製品化の見通しは立っていない

2008年に投入予定のLatitudeやOptiplexなどの次期製品も公開

 そのほか、写真撮影は許可されなかったが、年内に発売を予定している製品についても説明が行われた。それぞれ詳細なスペック、提供時期については非公開。

 ノートPCでは、フラットなデザインが印象的なLatitudeの次世代モデル「Latitude E4200/E4300/E6405」を展示。特徴的なのは、ブルーの天板を採用したモデルを用意している点。「ビジネスPCとしての拡張性の面では妥協していない。これに加えて、カラーパネルを採用することで、個人ユーザーにも魅力的な製品に仕上げた」(Musgrave氏)。

 ハイエンドノートPCでは、波打った天板のデザインが印象的なPrecisionの次世代モデル「Precision M2400/M4400/M6400」を展示。オレンジなどの天板を採用したモデルも用意しており、これまでのPrecisionとは大きくイメージが変わっていた。また、横長デザインの「Precision Z」もあわせて展示されていた。

 デスクトップPCでは、直線的なボックスが印象的な「Optiplex 950」を展示。現行製品と同様に、ミドルタワー、ミニタワー、マイクロタワーの3つが用意されていた。最大の特長は、メッシュデザインのフロントパネルを採用している点。また、シルバーを基調とした筐体を採用するなど、これまでのOptiplexとは大きくデザインが変更されているのが特長的だ。「メッシュデザインを採用したのは、通気性を向上させることと、静音化を実現するため」(Musgrave氏)。また、同じデザインを採用したスマートクライアントのプロトタイプも展示されていた。


米Dellのブログで公開されているミニPC。写真とほぼ同じプロトタイプが展示されていた
 また、近日中に発表を予定しているミニPCも展示。PCとしての機能をサポートしながら、軽量化を実現した製品。一部報道ではInspiron miniと呼ばれているが、同社では製品名は未定としている。初めてPCを使う人はもちろん、旅行などでの利用も想定したモデルであると紹介。「ミニPC向けに最適化したキーボードを改良するため、他社と比べると投入が遅くなった」と説明。取材用のLatitude X1のキートップと比べてみると、英語キーではあるがほぼ同じキーピッチを実現しており、既存のノートPCユーザーでも利用しやすいデザインになっている印象を受けた。

 そのほか、長円の形をした20cmm程度の大きさの小型デスクトップPCも展示。電力消費も少なく、リサイクル可能な素材で作られているのが特長。シェルは選択可能。黒・赤・オレンジのほか、竹でできたシェルなども用意されている。「静かで、エコロジーなデスクトップPC」がほしいといったユーザーの声を取り入れた製品」(米Dell、Senior Vice President, Consumer Product GroupのAlex Gruzen氏)。



URL
  米Dell
  http://www.dell.com/


( 福浦 一広 )
2008/06/05 05:38

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