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デル、USBメモリ搭載型XenServerなど中小企業向け仮想化事業を強化


デル執行役員アドバンスド・システム・グループ本部長の町田栄作氏

無償のExpress EditionからPlatinum Editionまで用意
 デル株式会社は6月11日、同社の仮想化事業への取り組みに関する記者説明会を開催。中小企業に最適な仮想化ソリューションなどの説明が行われた。

 同社執行役員アドバンスド・システム・グループ本部長の町田栄作氏は、「仮想化ソリューションは、大規模環境を中心に利用されているが、中小規模の企業にとっても有効なソリューション。デルとしては、中小企業が仮想化をより身近に、より使っていただけるものになるよう展開する」と、仮想化市場のすそ野を広げるための取り組みを積極的に行うと紹介。この取り組みのひとつとなるのが、シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のCitrix XenServerを用いた仮想化ソリューションとなる。

 XenServerは、オープンソースの仮想化ソフト「Xen」を仮想化エンジンとしたサーバー仮想化製品。サイズの小さなXen Hypervisorをベースとしたハイパーバイザ型の仮想化ソフトで、USBメモリなどに組み込んで利用できるのが特長となっている。シトリックス・システムズ・ジャパン サーババーチャリゼーションセールス システムズエンジニアリング 部長の平谷靖志氏は、「XenServerは、OSに依存しないオープンな点が特長。また、マイクロソフトと相互運用性を実現しているのも利用者にとって大きなメリットになる。そのほか、管理ツールのXenCenterを無償で提供するなど、価格面でも他の仮想化製品に勝っている」と説明。無償公開されているExpress Editionから、仮想サーバー・物理サーバーの両方に対してプロビジョニングを行えるPlatinum Editionまで、利用規模に応じた製品が用意されていることなどが紹介された。


XenServer Dell Editionの特長

XenServerの各エディションの機能比較
 デルでは、USBメモリに組み込み可能という特長を生かし、Express Editionベースの「Citrix XenServer Dell Edition」を用意。同社のIAサーバー「PowerEdge」の内部コネクタに接続することで、インストールすることなく仮想化環境を構築することが可能だ。また、アップグレードパスも用意されており、ライセンスキーを追加購入するだけで、XenServer Enterprise Editionにアップグレードすることもできる。

 同社ソリューション&アライアンス・マーケティング本部の大植吉浩氏は、「仮想化に対して、運用面での負担、初期導入コスト、安定性などに不安を感じる中小企業ユーザーは多い。XenServerをUSBメモリに組み込んで提供することで、インストールすることなく環境を構築でき、初期費用の削減にもつながる。また、動作を確認したパッケージモデルを用意することで、安定性に対する不安も解消できる」と、中小企業でも導入しやすい仮想化ソリューションが提供できると説明した。

 説明会には、インテル株式会社営業本部 市場開発マネージャーの矢嶋哲郎氏も出席。「PowerEdgeにも採用されている、45nmプロセスのクアッドコアXeon 5400番台は、仮想化を想定した設計が特長。また、Xenに関してもプロジェクトの初期から参加し、さまざまな分野で貢献してきている」と、Xenプロジェクトへ積極的に参加するなど、仮想化分野に積極的に取り組んでいることを紹介した。

 XenServer Dell Editionの価格は約1万円。XenServer Enterprise Editionへのアップグレードライセンスの価格は、35万3000円。そのほか、仮想化環境をはじめて導入する企業向けのパッケージ製品「はじめての仮想化パッケージ」も用意。XenServer Enterprise Edition、PowerEdge 2950 III(クアッドコアXeon L5420×2、8GBメモリ)×2、PowerVault MD3000(300GB SAS HDD×8)の構成で、450万円から。



URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/


( 福浦 一広 )
2008/06/11 15:40

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