Enterprise Watch
最新ニュース

「日本で成功するアジア発のベンダーを目指す」、ディーリンクがスイッチソリューションを展示

~Interop Tokyo 2008

ディーリンクが強みとしているセキュリティソリューション。スタッカブルスイッチ「xStackシリーズ」や、エッジ向けレイヤ2スイッチ「DGS-3200-10」とファイアウォールアプライアンス「DFLシリーズ」などで構成される
 台湾のネットワークベンダーを親会社にもつディーリンクジャパン株式会社(以下、ディーリンク)は、6月11日から展示会が開催されている「Interop Tokyo 2008」で、ネットワークソリューションを展示している。

 ディーリンクは、レイヤ2のデスクトップスイッチからスタッカブルスイッチのレイヤ3アグリゲーションスイッチ、UTMなどのセキュリティ製品、ワイヤレス製品ほか、さまざまなネットワーク製品を提供する総合ベンダー。本来、さまざまな分野で製品を提供できる品ぞろえがあるのだが、メッセージがぼけてしまうのを防ぐため、「ソリューションとしての提供に力を入れている」(営業本部 東堂園俊治本部長)という。

 中でも力を入れているのが、セキュリティのソリューションだ。Gigabit Ethernet(GbE)対応のスタッカブルスイッチ「xStackシリーズ」や、エッジ向けレイヤ2スイッチ「DGS-3200-10」とファイアウォールアプライアンス「DFLシリーズ」を組み合わせることで、「ネットワークの外側からの攻撃だけでなく、ファイアウォールがワームを検知した際に、スイッチのポートを閉めてしまうといった内側からの驚異に対しても防御機能を提供できる」(東堂園氏)ソリューションを実現できる。

 また、近年導入が進む検疫ネットワークへも対応を進めているという。具体的には、NTTデータ先端技術が提供する「NOSiDE」や、マイクロソフトの「Network Access Protection(NAP)」との連携をサポート。IEEE 802.1X認証やMACアドレス認証を、同社のスイッチ経由で提供できるとした。

 「国内でまだ認知度が高くない当社が、『コアからエッジまですべての製品を利用してください』と言っても受け入れてもらえない。それよりも(アグリゲーション以下の)下層スイッチにおいて、付加価値を提供でき、またコストパフォーマンスに優れる導入しやすい製品を用意しているので、まず使ってもらいたい。こうした努力によって、当社の知名度を高めていくことが先決だろうと考えている」(東堂園氏)。


ディーリンク 営業本部 東堂園俊治本部長(左)と、D-Link International Pte Ltdのトニー・ツァオ社長(中)、ディーリンクの廖晋新社長(右)
 同社ではこの戦略に沿って、エッジスイッチや、「島HUB」として用いられるデスクトップスイッチのラインアップを国内で優先して展開している。6月5日には、不要な消費電力をカットする「Green Ethernet Technology」搭載のデスクトップスイッチをリリースした。東堂園氏は、「ワールドワイドのD-Linkは、SMB向けスイッチで出荷ナンバーワンの実績を持っており、こういった立場ではグリーン対応は避けられない課題」とした上で、この製品の持つ意味について、「一番数の多い、デスクトップスイッチの分野で省電力化を図ることにより、トータルでのコスト低減を顧客に提供できる」と説明する。

 また知名度をさらに広めるため、コンシューマ向けのPLCや、Green Ethernet Technologyなどを提供する計画もあるとのことで、日本市場への浸透に向けて、継続的に取り組む考えを示す。国内での売り上げは2007年度で約8億円とまだ大きくないが、「ようやく使ってもらった結果が出始めた」と東堂園氏がいうように、今年度は20%以上の成長が期待できるとのこと。さらなる成長を達成するため、いっそうのクオリティ向上などを図り、日本に根付いていけるメーカーを目指しているという。

 「日本以外のアジア圏から発祥したメーカーは、苦戦を強いられることが多いが、当社はアジア発のメーカーとして日本で成功することを目標にかかげ、本社サイドも本気で取り組んでいる。まだ日本法人の歴史は浅いが、OEMで18年、国内でも提供してきた実績があり、そのノウハウを生かして、日本の要求クオリティに耐える製品を作っていける自信を持っている」(東堂園氏)。



URL
  ディーリンクジャパン株式会社
  http://www.dlink-jp.com/
  Interop Tokyo 2008
  http://www.interop.jp/

関連記事
  ・ ディーリンク、“グリーンIT対応”型のGbEスマートスイッチ3製品(2008/06/05)


( 石井 一志 )
2008/06/12 08:59

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.