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NECが環境活動の実績を発表-ITソリューションによる社会貢献を高める


執行役員常務の井田敏氏

自社の経済活動による排出量と社会貢献での排出量削減分を均等にすることを目標とした「NEC環境経営ビジョン2010」
 日本電気株式会社は6月16日、2007年度のNECグループの環境活動実績とNEC環境経営ビジョン2010の進ちょく・達成状況をまとめた「NEC環境アニュアルレポート2008」を発行すると発表。これにあわせて、同社の環境活動への取り組み状況に関するプレス向け説明会を開催した。

 同社は4月に、「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現するグローバルリーディングカンパニー」というNECグループビジョン2017を制定。経営の中で環境を軸にすえて活動することを宣言している。同社執行役員常務の井田敏氏は、「NECは2003年に、他社に先駆けて2003年に環境経営ビジョン2010を発表した。これは、自社での生産活動・オフィス活動でのCO2排出量の削減、自社製品使用によるCO2排出量の削減といった自社内でのCO2排出削減のほか、ITソリューションの提供によるお客さま・社会でのCO2排出量の削減への貢献を目指すもの。自社が排出するCO2と自社が貢献した社会でのCO2排出量削減分を均等にすることを目標にしている」と説明。

 自社の生産・オフィス活動では、徹底した無駄の排除を目指した“生産革新活動”を推進。フロアの効率活動のほか、重力を利用した流れ棚、エアーを駆動源とした自動化設備・生産ラインなどの取り組みを実施。また、バーコード読み取り作業をRFIDに切り替えることで、10%以上の生産性向上を実現。これらにより、2001年度と比べて2005年度で年間約5300トンのCO2排出量を削減したとしている。また、オフィスにおいても省エネ活動を推進。そのほか物流においては、航空便を大幅に削減するなどの取り組みを紹介した。

 自社製品の使用によるCO2排出量の削減については、ボタンを押すことで約20%の省電力化を行う「エコボタン」搭載ノートPCや、シンクライアント、ファシリティを含めたデータセンターの省電力化といった取り組みを説明した。

 また、削減効果が高いと見込まれているITソリューションの提供による社会のCO2排出量削減では、ペーパーレス・フリーデスク・Web会議システムといった取り組みを行っている「NECブロードバンドソリューションセンター」の削減例を紹介。ワークスタイルを変革することで、従来型のオフィスと比べて約40%のCO2排出量の削減を実現したとしている。そのほか、Web会議システム利用による出張の削減や、在宅勤務など、移動に伴うエネルギー消費の削減などを実現するための、ITソリューション提供を促進する考えを示した。


生産・オフィス活動により、今後3年間で35万トンのCO2排出量削減を目指す 自社製品の省エネ化により、今後3年間で25万トンのCO2排出量削減を目指す ITソリューションによる社会貢献で、今後3年間で115万トンのCO2排出量削減を目指す

2007年度は自社排出のCO2が社会貢献分よりも大幅に上回っている
 2007年の実績ベースでは、自社の生産・オフィス活動で排出したCO2は198万トン、自社製品の使用で排出したCO2は82万トンで合計280万トン。一方、同社が貢献した社会でのCO2排出量削減は105万トンであり、まだまだ同社が排出する量が多いと説明。「2010年には、自社の生産・オフィス活動での排出量を163万トンに、自社製品の使用での排出量を57万トンに、社会貢献での排出量削減分を220万トンになるよう取り組む。厳しい目標ではあるが、非現実的なものとはおもっていない。グループをあげて、環境を軸にした経営に取り組む」(井田氏)と、引き続き、CO2排出量の削減を目指すとした。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0806/1601.html
  NEC環境アニュアルレポート2008
  http://www.nec.co.jp/eco/ja/annual2008/


( 福浦 一広 )
2008/06/16 14:38

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