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NTTデータシステムズの山田堅二常務(左)と、フジスタッフの増山郁夫常務(右)
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新会社の概要
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株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・システムズ(以下、NTTデータシステムズ)と株式会社フジスタッフは6月16日、ITエンジニア派遣業務を手がける「株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・キャリアウェイ(以下、NTTデータキャリアウェイ)」を設立すると発表した。出資比率はNTTデータシステムズが51%、フジスタッフが49%。資本金は2億2500万円で、8月1日より事業を開始する予定。社長は現段階では明らかにされていない。
設立の背景について、NTTデータシステムズの常務取締役、山田堅二氏は「人材派遣では、より行動に専門性が求められるようになった。優秀なITエンジニアの派遣ニーズは今後とも拡大すると考えている」と説明。拡大する市場に対し、NTTデータグループが持つ「ITに関するビジネス・サービス、スキルマネジメント、教育コンテンツのノウハウ」と、フジスタッフが持つ「人材派遣業のノウハウ」を融合させ、対応していくとした。
一方、事業を成功させるために「働く人を重視する」姿勢が大事だと強調する。山田常務は、「(IT業界では)仕事優先で、人への目が一部おろそかだったのではないか」という点を指摘。「スタッフ(エンジニア)を大切にすることが強く求められており、スタッフへ、専門スキルの習得やキャリア設計の機会を継続的に提供することが、重要な成功要因だと考えている。フジスタッフは派遣スタッフの満足度が高い会社であり、そのノウハウを大切にする」と語っている。
スタッフ向けの具体的な支援策としては、希望する登録者全員に、ITSSによるITスキル診断の受診機会を提供。「客観的に自分の力を理解して、キャリアプランを作っていけるようにする」(山田常務)ほか、NTTデータのノウハウを生かして作られたIT技術者向け研修も受講できるようにする。この研修は、同じグループのNTTデータユニバーシティが企画運営しているもの。メニューには、「プロジェクトマネジメント」「セキュリティ」「データベース」などのテクニカル領域に加えて、「ビジネスリテラシ」「財務・業種業務」「マーケティング」をはじめとするビジネス領域の研修も用意しており、技術だけでない、バランスのとれたキャリアを作れるようにするとのこと。
さらに、NTTデータの中からSIやプログラミングといった実業務の経験者が出向し、コーディネータ業務を担当する点も特徴。スタッフが提供できるスキルと、顧客が求めるもののマッチングを経験者が行うことで、精度を高め、両者の満足度を高めたい狙いがある。加えて、プロジェクトマネジメントや上流工程を担当するSEなど、高度な専門性が要求されるニーズにも、担当可能な力量があるスタッフが登録していれば積極的に応えていく考え。山田常務は、「従来のITエンジニアの派遣というと、プログラマを安く調達したり、ヘルプデスク要員をピーク時だけ利用したり、といったケースが多かったが、せっかくこういった会社を設立するのだから、高度な専門性が求められる領域も積極的に手がけたい」とした。
NTTデータキャリアウェイでは業務開始にあたり、フジスタッフから、首都圏IT人材派遣業務の一部譲渡を受け、当初は60~70名程度の派遣スタッフを実稼働させたい考え。また、フジスタッフの常務取締役 増山郁夫氏は、「当社ではマッチングについてのノウハウがNTTデータグループほどないため、うずもれてしまっているIT技術者が2000名ほど登録している。こうした人へ積極的に新会社への再登録を勧め、基本的なデータベースを整備していきたい」と当初の計画を説明した。新会社では、その後も積極的に登録者を募り、3年後には350名の実稼働と、約20億円の売上高を目指すとしている。
■ URL
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・システムズ
http://www.nttdsys.com/
株式会社フジスタッフ
http://www.fujistaff.co.jp/
ニュースリリース
http://www.nttdsys.com/news/20080616.html
( 石井 一志 )
2008/06/16 17:39
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