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「継続発展に貢献したい」、日本ベリサインの古市新社長が抱負を語る


【左】米VeriSign 取締役会長兼日本ベリサイン 代表取締役会長のビゾス氏、【右】日本ベリサイン 取締役社長の古市氏
 日本ベリサイン株式会社は6月26日、古市克典社長兼COO(最高執行責任者)をはじめとした新経営陣の就任に伴う記者会見を開催。米VeriSign 取締役会長、および日本ベリサイン 代表取締役会長を兼任するジェームズ・ビゾス氏がこれまでのVeriSignを振り返るとともに、古市社長が今後の抱負を述べた。

 VeriSignは、2008年を「第二の創業」ととらえている。インターネットインフラの提供を趣旨に1995年に設立したVeriSignは、2000年から2007年にかけて手広く事業を拡大し、着メロやコンテンツ系の企業なども含む計49社もの買収を行った。結果、「そもそもの趣旨から大きくずれていってしまい、軌道修正が必要となっていた」(ビゾス氏)という。そこで2007年、「認証サービス」「ドメインネームサービス」「ID管理サービス」の3つのコア事業にフォーカスし、原点回帰すると発表。初心に帰るという意味で2008年は、VeriSignにとってはまさに“第二の創業”の年なのである。

 これに伴い、日本ベリサインでは経営陣の刷新を進めてきた。刷新にあたっては、日本市場の特質を十分に考慮。ビゾス氏も、1)通信インフラの整備が周辺諸国のどこよりも進んでいること、2)発展途上国にとってはある意味モデルケースとされていること、などから日本市場の特異性と重要性を語っている。「そうした日本市場の固有ニーズを的確にキャッチできる人物」(ビゾス氏)として社長に選任されたのが古市氏であった。

 同氏は1985年にNTTに入社し、SE・事業計画立案・財務・人事など幅広いミッションに携わったのち、1998年に日本ルーセント・テクノロジーに移り、営業・マーケティングを担当。2000年にはレベルスリー・コミュニケーションズという新会社の立ち上げなども経験し、日本ベリサイン社長に就任する前までは、PRTMマネジメント・コンサルタントでコンサルティング業務を行っていた。

 数多くの職種を経験した同氏だが、「インターネットインフラおよびセキュリティに携わりたいという気持ちは常々持っていた。日本ベリサインから声がかかったときも、世の中でセキュリティや認証のニーズが高まっていたとともに、自分のバックグランドと企業方針が一致していたため、さほど迷わず決断できた」と述べている。

 今後の課題は「山積している。今後、日本ベリサインはまず何をすべきなのか。そうしたことも含め、方針を議論している最中。詳細は近いうちに発表できるだろうが、ともかく、継続的に発展できるよう貢献したい」(古市氏)とした。

 「よくいえば堅実、悪くいえば地味」と自身を分析する同氏。日本ベリサインも多くの周辺事業を整理したことで、ある意味では地味に、そして堅実に新たなスタートを切ろうとしている。会社と社長の性質に一致が見られる中、どのような相乗効果が生み出されていくのか、今後のかじ取りに期待がかかる。



URL
  日本ベリサイン株式会社
  http://www.verisign.co.jp/

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( 川島 弘之 )
2008/06/26 18:52

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