Enterprise Watch
最新ニュース

エフ・セキュア桜田代表取締役、「日本で一番信頼されるセキュリティの会社になる」


代表取締役の桜田仁隆氏
 日本エフ・セキュア株式会社(エフ・セキュア)は7月3日、記者会見を開催。5月に代表取締役に就任した桜田仁隆氏が、同社の戦略を説明した。

 同社の親会社であるフィンランドF-Secureは、海外での知名度は高いものの、国内では知名度・シェアとも高いとはいえない。以前も、国内でも親しまれているフィンランド生まれのキャラクター、ムーミンをコンシューマ向け製品「F-Secureインターネットセキュリティ2006」のGUIに採用(現在は廃止)するなど、個人ユーザーへのアピールを行ってきたが、まだまだ知られていないのが現状だ。

 それでも、「Linux分野のシェアは高く、OEMを中心に広く採用されている」(桜田氏)ことから、IT管理者レベルであれば一定の認知を得ており、この分野でのビジネスは伸ばしていく考えだが、それだけでは企業としての高い成長は期待できない。桜田氏はこの点について、「また諸外国に比べて、Windowsベースのシェアが低すぎる。そこでの認知度を上げていくことが必要」とし、引き続き、コンシューマ・企業のWindowsユーザーにアピールを続けていく意向を示した。具体的には、販売パートナーとの連携を強化し、これまで同社が弱かった分野への販路拡大などを狙っていく。

 一方、収益が望める分野としては、ISP経由のビジネスに注力する。桜田氏によれば、現在はISPがウイルス対策などのセキュリティサービスを、自社ブランドでエンドユーザーへ提供する流れができつつあり、すでにワールドワイドの全売り上げ中41%がISP経由のビジネスになっているとのこと。国内でも7社が同社の製品を利用してサービスを提供しているというが、「まだ諸外国と比べて、ISPが自分の名前で提供しているケースは少ない」(桜田氏)という。桜田氏は、価格競争が激しくなっているこの業界では、付加価値の提供が至上命題になっている点を指摘するとともに、セキュリティサービスや、その提供によるイメージ向上などが、ISPにとって武器になるという点を強調。ISPへ積極的に採用を働きかけたいとした。

 また、もっとも成長している市場としては、モバイルセキュリティ市場を挙げた。まだまだ売上高は小さいというが、今後も、モバイル市場の拡大とともに成長が期待できるため、国内のデバイスベンダーやキャリアと連携を強めていく考え。実ビジネスとしても、ソフトバンクモバイルのノキア端末向けにサービスを開始しており、この分野での取り組みを進めていく意向である。

 「日本では、シェア5位には入っていない現状だが、できるだけ早くトップ3へ入りたい。セキュリティソリューションで一番顧客に信頼されるの会社を目指していく」(桜田氏)。



URL
  日本エフ・セキュア株式会社
  http://www.f-secure.co.jp/


( 石井 一志 )
2008/07/03 18:07

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.