いまでこそIT業界でも、グリーン化など環境問題が最大関心事となっているが、実は加Nortel Networksでは、すでに10年以上前からグリーンITには大きな関心を寄せ、取り組んでいる。
ノーテルアジア エンタープライズ・プロダクト&ソリューションズ マーケティング担当のアダム・クリーマイヤー氏は、そうした同社ネットワークソリューションおよび機器の、とくにエネルギー効率向上をめざす先兵として“Get the Fact”キャンペーンの旗頭のもと、アジア地域での展開に精力的に取り組んでいるところだ。Get the Factのめざすところを、同氏にNortelシドニーオフィスで聞いた。
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ノーテルアジア エンタープライズ・プロダクト&ソリューションズ マーケティング担当のアダム・クリーマイヤー氏
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NortelのGet the Factの狙いはどこにあるか、クリーマイヤー氏はいう。「いうまでもなく第一にUC(ユニファイドコミュニケーション)を真にサポートするネットワークの構築、第二がハイパフォーマンスなネットワーク構築、第三が総所有コストの最小化、そして第四がエネルギー消費の削減」。それはまさにネットワーク構築・運用におけるユーザーニーズそのものにほかならない。とくに、「第四のエネルギー消費削減は1年前までは、それほどシビアに論じられていなかったが、現在ではかなりの関心度の高さだ」と近況を説明する。
日本でもそうであるが、最近ではデータセンターの構築・運用において、サーバーの統合/仮想化やWANの最適化、空調などによるグリーンITに向けた取り組みが進んでいる。もちろんNortelのネットワーク機器も例外ではなく、「たとえば、ニューヨークのあるデータセンターで稼働中のコアスイッチ「Nortel ERS8600」は、年間の消費電力が3万6456kW、空調/冷却が124.4MBTUであり、競合製品などと比較した場合、他社のわずか61%という消費電力を示しその省エネ効果は高い」とクリーマイヤー氏はこれまでの成果を語る。またグリーン・データネットワーキング・ソリューション全体についても、「先に調査報告された、最大7倍の耐障害性、最大20倍のパフォーマンス、最大50%の総所有コスト節減を実現、といった外部第三者の手によるテスト、検証レポートにも表わされているとおり」と胸をはる。
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IP電話機のエネルギー効率測定のデモ。小型IP-PBXとスイッチ、Nortel製および他社製IP電話機を接続したちょっとしたテレフォニーネットワークのケース。これらIP電話機の消費電力を小型ワットメーターに表示した。ここでは、スイッチの電源を投入しても、Nortel製IP電話機の場合20%弱の省エネ効果があることを示した
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最近、NortelのグリーンITに関連する取り組みで注目すべきは、エネルギー消費低減に向けた一環として、先に発表した「Nortel Energy Efficiency Calculator」(エネルギー効率がわかる計算ツール)だ。クリーマイヤー氏は、改めてその効果を実際にデモで説明してくれた。たとえば同じスイッチに、同社および他社のIP電話機を接続した場合、消費電力がどのように違うか、その差をこのCalculatorで示したのである。
このCalculatorはエネルギー消費のモデル化機能を備えたツールが搭載されている。現実には企業規模によって数万台あるいは数十万台のIP電話機、あるいはスイッチほかその他のネットワークデバイスも接続されることになるので、その消費電力たるや無視できない量になるはずだが、このツールの活用で、IT技術者は最大50%のエネルギーを削減できるようになる、というのだ。「このことは、ネットワークプランナーが、UCに対応するために現在進行中のあるいは今後導入予定のネットワークインフラにおいて、実際にネットワークを構築し運用する前から、ネットワークの規模にかかわらずエネルギー消費に与える影響の分析を可能にしてくれるもの」とクリーマイヤー氏はアピールする。
また、「とくにこのツールはWeb上に公開している点が大きな特徴。したがって、誰もがアクセス可能で、構築・運用しようとしているネットワークの規模、接続ネットワーク機器などプランするモデリングからエネルギー消費量を知ることができるようになっている」と、オープン性を付け加える。同時に、「これを利用する国々の通貨からコスト資産もできるし、使用エネルギーによる熱の発散やそのために必要になる設備も予測できる。とくに、CO2換算とその国のCO2許容範囲から、今話題の排出量取引にも対応できるはず」とまでいいきる。
最近ノーテルソリューションを選択したインドのITサービス企業であるSierra Atlantic社は、4カ月におよぶ技術比較調査を経て、レジリエンシーの高さやパフォーマンス、そしてエネルギー効率を評価している、というユーザー企業の一つだ。“Get the Fact”は、高付加価値ソリューションの提供のみならず、業界を説得しうるデファクトスタンダード化までめざす意気込みを感じさせる。これが、まさに“Get the Fact”の意図するところ、すなわち“事実を知ろう”のゆえんでもあるのだ。
■ URL
ノーテルネットワークス株式会社
http://nortel.com/jp
Get the Factキャンペーン(英語)
http://www.hyperconnectivity.com/en/uc/campaign/data_campaign.html
( 真実井 宣崇 )
2008/07/09 11:00
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