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キヤノンMJ、2008年度上期連結決算は減収減益

ビジネスソリューションは計画未達も増収増益

 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)は7月24日、2008年度上期(1~6月)の連結決算を発表した。

 売上高は、前年同期比2.1%減の4185億円、営業利益は15.8%減の143億円、経常利益は15.4%減の147億円、当期純利益は35.3%減の64億円となった。

 ITソリューションやデジタル一眼レフカメラの売上が増加したものの、半導体露光装置やコンパクトデジタルカメラの売上が減少。売上総利益の減少や、販管費が微増したことが影響した。また、最終利益は、会計処理の変更による過年度永年勤続慰労引当金繰入額の計上などが影響した。

 キヤノンMJ本社管理部門担当の川崎正己専務取締役は、「第2四半期も、第1四半期に続き減収減益という厳しい内容となった。また、全セグメントにおいて、売上高が計画値を下回った。だが、営業利益、経常利益は当初計画を上回っている」とした。


2008年度上期連結決算 セグメント別売上高

ビジネスソリューション事業の売上と営業利益

ドキュメントビジネスの売上
 ビジネスソリューション事業は、前年同期比1%増の2571億円、営業利益は9%増の92億円となった。

 そのうち、ドキュメントビジネスの売上高は2%減の1704億円。ITソリューションは、新規連結会社の効果もあり、18%増の867億円となった。

 「ビジネスソリューション事業全体では、売上高は計画には未達だが、営業利益では計画を上回り、増収増益になった」という。

 ドキュメントビジネスは、オフィスMFP(複合機)分野において、2月に発売した「Color imageRUNNER」シリーズの中速機「iR C4080/C3580」および、普及機の「iR C3080/C2550F」の拡販や、コンビニエンスストア向け製品の入れ替え需要があり、カラー機の出荷台数は堅調に推移。だが、モノクロ機の大幅な減少により、オフィスMFP全体の売り上げは前年同期を下回った。また、LBP(レーザービームプリンタ)は、カラー機は「Satera LBP5610」が好調に推移したことで、微増で推移したものの、モノクロ機が減少し、全体の台数は前年同期を下回った。

 デジタル商業印刷市場向けのプロダクションMFPでは、昨年発売した高精細・高速プリントの「imagePRESS C7000VP」に加え、3月には大企業の集中コピー室などを対象とする「imagePRESS C6000」を投入。一方、オフィスMFPの保守サービスは、厳しい価格競争により保守料金の単価下落が続いたが、コピーボリュームの順調な伸びにより、売り上げは堅調だったという。

 ドキュメントビジネスの連結対象となるキヤノンシステムアンドサポートの売上高は5.2%増の572億円、営業利益は3.9%増の10億円と増収増益になった。


ITソリューションの売上
 ITソリューションは、コンプライアンスや内部統制、情報セキュリティの強化などといった企業需要の増加により、帳票やパンフレットなどのプリントオンデマンドシステムや、MEAPに対応したICカード認証システムなどの売り上げが増加。また、飲料、金融、検針業務向けのハンディターミナルの売り上げが順調に伸びた。

 ITソリューションのうち、ITサービスの売上高は28%増となったが、ITプロダクトは9%減となり、計画には未達となった。

 4月1日付で、キヤノンシステムソリューションズとアルゴ21の合併により誕生したキヤノンITソリューションズは、製造や金融分野を中心にSI部門が好調に推移。電子カルテをはじめとする診療所向けパッケージ商品や、サーバーソリューションが、順調に売り上げを伸ばした。

 連結対象となるキヤノンソフトウェアの売上高は16.2%増の123億円、営業利益は1.5%増の8億円。キヤノンITソリューションズの売上高は154.5%増の380億円、営業利益は8.8%増の27億円。キヤノンネットワークコミュニケーションズは売上高が4.6%増の49億円、営業利益は1.0%増の4億円となり、ITソリューションおよびドキュメントビジネスの主要関連会社はすべて増収増益となっている。

 なお、デジタルカメラやプリンタなどのコンスーマ機器事業は、売上高は1%減の1237億円、営業利益は40%減の34億円。半導体製造装置などの産業機器事業は、売上高は27%減の377億円、営業利益は44%減の15億円となった。


 また、同社では、通期見通しを下方修正。通期売上高は、当初公表値に比べて500億円減の8750億円、営業利益は15億円減の325億円、経常利益は10億円減の330億円、当期純利益は20億円減の170億円とした。

 川崎専務取締役は、「下期の回復を期待していたが、不透明感は拭えず、売上高、利益ともに下方修正することになった。6期連続の増収増益を目指していたが、現状ではそれが厳しくなった」などとした。

 ビジネスソリューションは、売上高が公表値に比べて270億円減の5220億円、営業利益は11億円減の164億円。前年比では、売上高は1%増となるが、営業利益では5%減となる。

 ビジネスソリューションのうち、ドキュメントビジネスの売上高は、公表値に対して178億円減の3400億円、ITソリューションは92億円減の1820億円とした。

 「企業の設備投資の抑制傾向により、ビジネス機器は総じて需要の低迷が懸念され、保守サービスも含め価格競争が継続すると見られる。景況感の悪化により金融分野を中心に、IT投資が先延ばしになるなどの懸念もあるが、ITソリューションでは、金融、製造、医療などの分野を中心としたSIビジネスをはじめ、インターネットデータセンターなどによる基盤・運用保守ビジネス、ドキュメントやセキュリティといったソリューション商品力を強化する」とした。


通期業績見通し(前回公表値との比較) 通期業績見通し(対前年比) セグメント別業績予想


URL
  キヤノンマーケティングジャパン株式会社
  http://canon.jp/
  決算概要
  http://cweb.canon.jp/co-profile/ir/finance/highlight.html

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( 大河原 克行 )
2008/07/24 14:55

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