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2008年度第1四半期連結決算の内容
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株式会社リコーは7月25日、2008年度第1四半期連結決算を発表した。
売上高は前年同期比1.6%減の5215億円、営業利益は14.7%減の397億円、税引前利益は17.9%減の437億円、当期純利益は24.0%減の257億円となった。
地域別では、国内売上高は前年比4.4%減の2338億円、海外売上高は0.8%増の2877億円。米州においては、売上高は0.8%減の1025億円、営業損失はマイナス12億円の赤字。欧州は0.7%増の売上高が1489億円、営業利益が73.1%増の116億円。その他地域は売上高が1.8%減の748億円、営業利益は19.6%減の45億円。
国内売上高は、カラー機を中心にPPCやMFP、プリンタの売り上げが増加したものの、モノクロPPCやモノクロMFPのほか、産業分野、その他分野の売り上げが低調に推移した。
また、海外では、円高などの減収要因はあったものの、販売体制の強化、プリンタ事業領域の拡大などにより、各地域でカラーMFPやプリンタの売り上げが増加したという。
米州は為替の影響を除けば、売上高で13.6%増の成長率になっているが、5月に完了した米国における販売システムの統合経費の影響などが、営業損失につながった。
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第1四半期分野別売上
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第1四半期所在地別売上
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瀬川大介グループ執行役員
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リコーの瀬川大介グループ執行役員は、「日本における景況感の悪化とともに、当社の製品が新製品投入の端境期にあったことが影響しており、売上げ計画には未達となっている。だが、利益に関しては、計画を上回る実績になっているほか、6月に新たなカラーMFPのImage MP C5000を投入しており、これが第2四半期以降、貢献してくることになる。また、カラーMFPの好調ぶりと、これに関連したノンハード事業が伸張し、利益に貢献している。第1四半期のスタートとしてはまずまずである」とした。
なお、InfoPrint Solution Company(IPS)は、第1四半期(1~3月)業績が今回の連結業績に反映されてており、「売上高で約240億円程度、利益はトントンのところで計上する、という当初の見込み通りのものになった。この分野については、いい感触を持っている。宣言したことは、やりきる。信頼していただいていい」などとした。
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事業別の売上と営業利益
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事業分野別では、画像&ソリューション分野の売上高が、前年同期比0.5%増の4552億円、営業利益は8.8%減の554億円。そのうち、画像ソリューションの売上高は前年同期比0.5%減の4101億円、ネットワークシステムソリューションが11.0%増の451億円。
「為替の影響を除けば、画像ソリューションでは前年同期比3.6%増、ネットワークシステムソリューションでは12.3%増という成長になる」という。
カラー比率は、第1四半期実績で、複写機が国内では59%、海外では48%、合計で51%。プリンタでは、国内が27%、海外が32%、合計で29%となっている。
「国内では、Operiusによるソリューションに対する引き合いが出ている。Operius関連の案件は、当初計画を大幅に上回っているのが実態。提供価値の広がりが出ているという実感はある。海外は、ドキュメントプロセッサアウトソーシングや、ネットワークアーカイブ事業が、規模は小さいが着実に成長している」とした。
ハードは、国内が15%減、海外が14%減、合計で14%減と前年割れとなったが、ノンハードは、国内2%増、海外10%増、合計で6%増と増収となっている。
ジェルジェットプリンタについては、「狙った顧客に着実に届けており、そこで利用されている。本体台数は大きく伸びているわけではないが、インクの売り上げが増加してするのは使われていることの証であり、全体の伸びに寄与している」などとした。
なお、従来、画像ソリューションに含めていた海外ITサービス事業などを、今期からネットワークシステムソリューションに含めており、それによる影響額は46億円だという。
一方、産業分野は、売上高は6.9%減の342億円、営業利益は9.1%減の10億円。国内の電装ユニット事業の売上高が減少したことが影響している。また、その他分野の売上高は20.4%減の332億円、営業利益は37.5%減の5億円となった。デジタルカメラの売上高が国内外ともに減少したという。
なお、2008年度の業績見通しは、そのまま据え置き、売上高は前年比1.8%増の2兆2600億円、営業利益は0.8%減の1800億円、税引前利益は0.8%増の1760億円、当期純利益は1.4%増の1080億円とし、15期連続の増収を目指す。
「市場環境は厳しいという点は理解しているが、当社がカラー化の波に乗っていること、プロダクションプリンティング領域で新たな製品を投入し、これが後半に寄与してくること、さらに、中速機の製品ラインアップも強化していくことで、第1四半期の落ち込みをカバーしするだろう。通期では、必ずや見通しを達成したい」とした。
分野別には、画像&ソリューション分野の売上高見通しを1兆9095億円から、1兆9768億円に上方修正する一方、産業分野を1443億円から1370億円に下方修正した。
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2008年度通期の業績見通し
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2008年度通期の分野別売上高見通し
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■ URL
株式会社リコー
http://www.ricoh.co.jp/
( 大河原 克行 )
2008/07/25 18:45
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